福井テレビ

ジュディ・オング倩玉さんをお迎え。ジュディさんは、歌手や女優として活躍する一方、木版画家としても長年活動し、その高い芸術性で日展でも入選多数という実力の持ち主です。今回は、福井市美術館で「木版画の世界展」を開催中とあって来福。ジュディさんの創作意欲をビンビン刺激する「福井の伝統美の世界」にご案内しました。

日本家屋を題材に木版画作品をつくるジュディさん、最初に訪れたのは、越前市にある「愛山荘」。ちょうど１００年前、地元名士が別邸として建てたもので、自慢の庭園からは日野山を借景した眺めが広がっています。現在は、地元の小野谷グループの三村社主が購入し、地元の観光資源として活用しようと１年をかけて補修、去年から一般市民にも公開されています。庭の眺めはもちろん、柱一本から床材など細部にわたるまで、こだわりぬいた造り。そんな贅を尽くした和の空間を前にジュディさんも大興奮となりました。

続いての舞台は今立地区。木版画作品を完成させるにあたり、上質な和紙は欠かせないと言うジュディさん、たっての希望で紙漉きの工房を訪ねることに。

岩野平三郎製紙所は、横山大観ら日本画の巨匠たちが認めた日本画用和紙を開発した工房。紙漉きの達人と呼ばれた初代・平三郎から現在に至るまで、脈々と越前和紙の伝統を受け継いでいます。そこで出迎えてくれたのは、４代目代表の岩野麻貴子さん。２０代のはじめのころは、紙漉きから離れ、OLだったそうですが、伝統の重みと父の言葉を胸に２３歳で家業を継ぐ決心をしました。しかし今年のはじめ、その父が亡くなったことで麻貴子さんに伝統の継承と工房の未来が託されました。

麻貴子さんが漉いた和紙を前にしたジュディさん、木版画に使う和紙にも様々な思いや物語があるとあらためて知ることとなりました。

福井の伝統美にすっかり魅せられた!?ジュディさん、新たな作品づくりへの意欲が増したようです。福井を題材にした作品が完成する日を楽しみにしています！