番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

盲腸について

今日のドクター

日本消化器外科学会
消化器外科専門医
島田 雅也 先生

病気説明

盲腸というのは、正式な病名では無く、正しくは虫垂炎といい、大腸の入り口である盲腸から出ている細長い虫垂という臓器に,色々な原因で炎症が起きる病気です。
虫垂炎は、右下腹部の痛み、というのが一般的で、痛みは急激にくるというよりは、徐々に強くなるという感じです。みぞおちの痛みや吐き気,発熱や下痢といった症状で始まる事もあります。虫垂の炎症がひどくなると、虫垂が破れて細菌や膿が広がり腹膜炎という重い状態になってしまうこともあります。子どもから高齢の方まで幅広く年中発症する病気なので、おかしいと感じたら早めに病院を受診してほしいと思います。

意外と知らない?対処法
手術が必要ではない場合もあります
虫垂炎と診断された場合、必ず手術が必要というわけでは無く、炎症の程度にもよりますが抗菌薬の投与で炎症を抑えられることがあります。ただし、虫垂自体を切除するわけでは無いので10—30%の方で再発をするという可能性もあります。虫垂炎と診断したら、腹膜炎を起こしていないか、抗菌薬で効果があるかどうかという判断で,手術が必要かを決めます.抗菌薬の効果があった場合でも、再発の可能性について患者さんと相談をして、後日待機手術をすすめる事があります。
がんが隠れている事もあります
極めて稀な事なんですが、虫垂の中や根本に『がん』ができて、それによって虫垂が詰まって虫垂炎が引き起こされる場合があるんです。ですから、虫垂炎といっても軽く考えないで、きちんと治療を受けて欲しいと思います。
まとめ
虫垂炎の手術も,状況にもよりますが,おヘソからの腹腔鏡手術で可能な場合もあり,患者さんに合った最適な方法を選べるようになってきています。ただの痛みだと思っても他の疾患が隠れている事もありますから適切な診断をする為にも、自覚症状がある場合は早めに病院を受診してほしいと思います。
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