福井県立病院救命救急センター
又野秀行先生

熱中症とは、皆さんご存知のように体が過度に熱せられて体調不良をきたす健康障害のことを言います。ひどいものは意識障害を起こし、命に関わることもあります。通常、私たちは、汗をかくことで体温調整をしていますが、急激に暑くなってまだ体が慣れていない、湿度が高い、などの状況ではうまく汗をかくことが出来ませんし、異常な暑さであれば当然熱中症も起こしやすくなりますので、気をつけるようにしてください。

屋内でも熱中症に気をつけてください

熱中症で重症になられる方の多くは高齢者で、自宅など屋内で生じる場合が多くなっています。異常な高温環境を避けるということが熱中症対策の基本ですが、これは屋内でも屋外でも同じです。適度な空調は体調管理に重要です。屋内でも油断せず、熱中症対策をするようにしてください。

定期的に水分補給をしましょう

若い方の熱中症は、高温多湿の環境下でスポーツや肉体労働が激しく行われた際に生じやすいです。汗をかくことは体温調整に重要な役割を担っていますが、それにより水分や塩分が体から失われます。水分を十分とったと思っていても、実はまだまだ足りていないことが多いので、水分補給は最低でも一時間に一度は行うようにしてください。塩分も含めて摂取すると良いでしょう。脱水症状が進むと汗をかきにくくなり、尿の回数が減り、だるさやふらつき、筋肉がつる、意識を失う、などの症状が出ます。ビールなどのアルコールは尿がより出やすくなり、まったく水分補給にはならないので注意してください。

まとめ

運動中の熱中症は自分が気をつけることも大切ですが、周りの仲間や指導者の方も気を配り、体調が悪くないか、水分補給がちゃんと出来ているかを見てあげることも大切です。熱中症対策はコンディショニングの一環として考えると良いでしょう。