福井県皮膚科医会
長谷川義典先生

アトピー性皮膚炎とは痒みを伴う湿疹が、慢性的に繰り返す皮膚の疾患です。はっきりとした原因は分かっていませんが体質や環境素因などが関係していると考えられています。主に顔や首、手の内側や膝の裏に出やすいですが、全身に湿疹がでる病気です。環境素因やストレスが加わるとひどくなる傾向にあり、皮膚がかゆくて強く掻くことで、さらにかゆみが増すという、悪循環に陥ってしまいますので、あまり掻かないように注意してください。

食事制限では治りません

アトピー性皮膚炎は敏感肌で乾燥、花粉やダニ、汗の刺激、衣類の摩擦刺激など多彩な刺激から皮膚にかゆみ、湿疹がでるため食事制限だけで治るわけではありません。アトピー性皮膚炎は保湿が大事と考えられており、入浴後は保湿・スキンケアを心がけてください。まずは症状にあった外用剤を選ぶためにも、皮膚科を受診して適切な治療を行うと良いでしょう。

症状のコントロールが出来ます

アトピー性皮膚炎の治療は、症状があっても軽く、日常生活に支障をきたさないことを目的に行いますので、症状は治療によってコントロールすることが可能です。アトピー性皮膚炎の治療は主に、ステロイド剤の外用薬や、かゆみを抑える抗ヒスタミン剤、そして保湿剤を用います。ステロイド剤は使うと『体に悪い』とか『皮膚が黒くなる』『ステロイド剤をやめられなくなる』と誤解されている方が多いのですが、そのような副作用は無く、にきびが出来るとか、皮膚が薄くなるといった程度で、全身の副作用までは心配なく、医師の指示通りに用いれば安心です。

まとめ

最近はいろいろな方法でたくさんの情報が手に入りますが、間違った情報を鵜呑みにして、治療を中断してしまう方も多くいらっしゃいます。間違った情報により思わぬ悪化をまねく場合もありますので、医師と相談の上、適切な治療を心がけてください。