番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

ウイルス性胃腸炎について

今日のドクター

日本消化器病学会認定専門医
神野 正隆 先生

病気説明

ウイルス性胃腸炎というのは、簡単に言うとお腹の風邪みたいなもので、ウイルスの感染によって胃や腸に炎症が起きて、発熱や腹痛、嘔吐、下痢と言った症状が出る病気です。ロタウイルスやノロウイルスといったウイルスがよく知られており、ロタウイルスは小児の、ノロウイルスは大人のウイルス性胃腸炎の代表的なウイルスです。そこまで重症化しないことが多いですが、感染力が強く保育園や幼稚園、老人ホームといったところでは集団感染につながることもあるので、注意して欲しいと思います。ウイルス性胃腸炎の感染経路は口からの感染であり予防法として手洗い・うがいはとても大切です。

意外と知らない?対処法
下痢をする時は水分を多めにとりましょう
下痢がひどい時に『水分をとると余計に下痢が出るから』と思って、水分を控える方がいらっしゃるんですが、下痢が出ることで体は脱水状態になっているので、いつもより水分を多めにとるようにして欲しいと思います。水分を自分でとれる場合は良いですが、水分を自分でとれない場合や、抵抗力の弱い小さなお子さん、ご高齢の方は入院をする事もあります。O-157やサルモネラ菌のような細菌性の胃腸炎は抗生物質が効きますが、ウイルス性の胃腸炎には抗生物質は効かないので、治療は整腸剤で腸内環境を整えてあげたり、発熱を抑えたりする対症療法になります。そのため水分をしっかりとって、ウイルス性胃腸炎がひどくならないようにして欲しいと思います。
下痢止めは服用しないでください
下痢がひどくてつらいから、市販の下痢止めを服用する方がいます。下痢を止めてしまうことで、お腹の中にウイルスが溜まってしまいますし、細菌性の胃腸炎の場合、ひどくなって命にかかわることもありますので、下痢止めは服用しないようにしてください。逆に吐き気止めを服用する事は悪いことではなく水分摂取を容易にする事にもつながります。お話しましたようにウイルス性胃腸炎は水分摂取が大事ですから、水分をよくとってひどくならないように心がけるようにして欲しいと思います。
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