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自分らしく生きるために

2019年03月14日

先日開かれた、福井県済生会病院での市民公開講座で司会をさせて頂きました。

 

 

 

今回のテーマは「緩和ケア」。自分らしく生きるためにどんな治療やケアが必要なのか学ぶ回となりました。

過去最高の約210人が参加し、関心の高さが伺えます。

 

 

 

皆さんは「緩和ケア」というとどんなイメージを持たれていますか?

私は、終末期、つまり治療方法がなくなってしまった患者さんが、残された時間をできるだけ穏やかに過ごす時間だと思っていました。

 

実はそうではないんです。

 

専門家によりますと、緩和ケアとは、苦痛を和らげ生活の質を改善する治療のことで、今はがん告知された時から並行して始まるそうです。この“苦痛”というのは、がんや治療の痛みだけでなく、告知のショックや死への恐怖など精神的苦痛も含まれるため、告知時から緩和ケアが必要なのだそうです。

 

 

そして緩和ケアにおいて最も重要なことは、「自分がどう生きたいか、周りに伝えること」。

アドバンス・ケア・プランニング=ACPといって、今注目されている言葉です。

もしもの時、自分がどうしたいか伝えたくても、辛さで自分がわからなくなっていたり、考える余裕すらなかったりするかもしれません。だから、元気なうちに、自分がどんな風に最期の時間を過ごしたいのか、何が好きで、何が大切で、どんな自分でありたいのか、家族や大切な人はもちろん、主治医や看護師など医療関係者に伝えておくことが、自分らしく生きるために必要なことなんです。

しかもそれは今からでもできること。

私は幸い今健康ですが、この話を聞いて、一度家族と話してみようと思いました。家族のためにも、そして自分のためにも。

 

 

乳がんサバイバーのドキュメンタリー制作をしたことで知ったこと、興味を持ったことが、今に生きています。伝える仕事が私の仕事。だから皆さんに伝えたいと思いました。

あなたの自分らしさとは…?一度考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

お世話になった先生方と。とても有意義な時間でした。

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