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若狭美浜で出会ったお父さんはドクターストップがかかりやむなく陸にあがった。今では海を眺めながら、兄弟のためにいろんな網を作っている。彼の家は代々、タイやハマチなどの大物一本釣り師の家であった。幼い頃、船が手漕ぎの頃から父親と一緒に日本海に出て、時化の時などは何度死ぬ目に遭ったか分からないと言う。
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| 今は網を編んではいるが・・・ |
昔は歴代の一本釣師 |
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そんな彼の釣り上げた大物中の大物は2メートルはあるだろうと思われるシイラ。シイラは平べったくて頭がマッコウクジラの様に直角に曲がった、主に海の浅い所を高速で泳ぐ回遊魚である。カツオやマグロのように釣り上げても活きが良くからだをプルプルとよく小刻みに震わせる。生きている時の魚体は青色と黄色のグラデュエーションが美しいがすぐに変色してサビ色の魚体に変わる。その間が短くはかなさを感じさせる魚でもある。
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巨大なシイラは針に掛かると水面を強引に走る。親父さんの釣り方は手釣りだから、うかつに引っ張ろうとでもすれば掌が裂けてしまう。そんな時老練の一本釣り師は持久戦に出る。シイラを二百メートル程走らせて釣り糸の先にくくりつけた大きな樽を海に放り投げる。シイラは重い樽を引きずり回し次第に疲れてくる。底に向かったときが潮時。おもむろに糸を手繰ってシイラ御用となる。映画ジューズのようにきっと樽は水面を走り回ったに違いない。彼ももはや海には帰れないというが、彼の脳裏にはこの時シッカリ海を走る樽が浮かんでいた。(平成9年5月12日放送/ロケ地/美浜町)
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