ニンジンやカブ、キュウリなど地元野菜を使った洋風の酢漬け「ピクルス」が注目を集めています。作っているのは、農業を始めて8年目、福井市に住む清水夫妻。すべて手作業で作っています。

　ピクルスに使う野菜は、季節によって変わり、今の時期はニンジンが中心です。清水夫妻が作るニンジンは福井市生まれの「きゃろふく」。黄色とオレンジの2色を楽しめ、ニンジン臭くないと人気の品種です。清水さんは、「ピクルス」を作るようになって、「野菜を育てる楽しみだけでなく、加工する楽しみが増えた」といいます。

　ピクルスに使う野菜は、形が整わなくて店頭に出せないものを使っています。「味は変わらないのに」となくなく処分していた野菜を利用することで、「『フードロス削減』にもつながる取り組みができてうれしい」と清水さんはいいます。

　そんな清水さんが、ピクルスを作るうえで一番こだわったのは、味の決め手となるスパイスだそうです。「若い人だけでなくどの世代の人にも美味しく食べて欲しい」という思いから、柔らかい味わいのピクルスに仕上がっています。

　実は、決め手となるスパイスは、清水夫妻だけで調合したのではありません。野菜ソムリエの山口さんと一緒に、思い通りの味になるまで30回以上の試作を繰り返しました。山口さんは「食べた方には、地元の空気、地元の水を吸った新鮮な野菜を使ったピクルスを味の中で感じて欲しい」といいます。