かつて若狭と京都を結ぶ、鯖街道の重要な宿場町だった、若狭町の熊川宿。今なお古い町並みを残すその一角に、去年７月、新しいカフェがオープンしました。そのカフェとは、「給食カフェ　はな結（はなゆい）」。ランチで給食メニューを提供するお店です。

　古い町屋を改装した店舗は、ベンガラで塗られた木格子が目を惹く外観。しかし店内は、給食カフェというだけあって、黒板やロッカー、実際に中学校で使われていた机やいすが並び、子どもの絵画なども飾られていて、教室のようなインテリアになっています。

　店を開いたのは、学校栄養士として９年間給食を作っていた石倉怜奈さん。「調理師として店を持つ」という昔からの夢を叶え、この店をオープンさせました。

　給食カフェを開いたのは、給食にはバランスの取れた栄養以外にも、食育としての側面があり、地元の魅力を伝えられると考えられたから。地元の食材を使い、地元食材の良さや生産者の顔や苦労を伝えることで、その美味しさを知って欲しいと石倉さんは言います。

　店のコンセプトに「結ぶ」を掲げている石倉さん。子どもから大人まで楽しめる給食を通して、人と食と地域を結びたいと意気込んでいます。