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“新幹線通勤”のビジネスマンに密着取材 福井県内開業でライフスタイルにどんな変化が?
新幹線開業から半年あまりがたち、暮らしは変わったのか?日々の通勤で新幹線の利用を始めたビジネスマンに密着取材しました。
残暑厳しい9月の早朝、新幹線の敦賀駅にクールビズ姿で現れたのは、北陸電力福井支店に勤める遊津晃さんです。遊津さんは毎朝、午前6時台か7時台の敦賀発の新幹線「つるぎ」で通勤しています。
敦賀ー福井間は新幹線で20分ほどで、特急を利用していた開業前に比べ、約10分間の短縮になります。
新幹線が走り始めると、車窓からは敦賀湾が望めます。「通常はニュースチェックをしていて、自分の時間が増えた。朝は4時から5時くらいに起きてしまうので、何か自分の時間を使えたらと、弁当作りを始めた。私と家族の分を作っている」と話します。
午前8時、福井駅に到着し、歩いて会社に向かいます。トータルの通勤時間は1時間を切ります。
遊津さんは「北陸電力全社では250人程度の新幹線通勤者がいる。福井管内では40人程度で、富山ー福井間の利用者は、単身赴任から新幹線通期に切り替えたケースもあり、ワークライフバランスの改善に繋がっている」と話します。
遊津さんの部下は「通勤の負担もかなり和らいでいるのではと感じる。お弁当を毎朝3つ作っていると言っていたので、家族思いなところや、健康を気づかうところなどがワークライフバランスもとれていて素敵」と話します。
朝の時間を活用したお弁当は、冷凍食品を使わず全てお手製で「色味を気をつけるようにしている」といいます。
同僚も“噂の手作り弁当”に興味津々です。
一方、午前7時27分の福井から敦賀へ向かう新幹線で通勤するのは、敦賀営業所の副所長、村上秀和さんです。駅でばったり会う同僚も多いといい、職場が違っても、つかの間の近況報告や情報交換をします。
北陸電力は公共交通機関による通勤が原則で、移動距離によっては新幹線通勤を認めています。
事務所に一番乗りした村上副所長は「新幹線は自然災害でもダイヤが強いので心配せずに通勤できる」と新幹線通勤のメリットを挙げ「正直、快適な暮らしになっているのでなかなか元の生活には戻れないなと思う。このまま新幹線で通いたいと思う」と話します。
北陸電力は新幹線通勤の狙いと効果について「金沢―富山間、福井―敦賀間の利用が多く、多様化するライフスタイルへの対応や通勤圏の拡大、通勤負担の軽減による労働生産性の向上が上げられる」と多様化する働き方の一助になればと期待しています。
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