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自転車事故の8割以上がヘルメット着用なし 着用努力義務化から1年 安全意識の浸透は遠く【福井】
2023年4月に改正道路交通法が施行され、自転車を利用する全ての人のヘルメット着用が努力義務となりました。施行から1年が過ぎましたが、ヘルメットの着用は県内で浸透しているのでしょうか。
竹内慶行記者:
「午前7時半ごろの福井市内の様子です。自転車に乗っているほとんどの人がヘルメットをかぶっていません」(6月7日撮影)
改正道路交通法の施行で、自転車を利用する全ての人に対してヘルメットの着用が努力義務となってから1年、自転車に乗車中のヘルメットの着用はなかなか浸透していないように見えます。
県警交通企画課も「県民の意識も徐々に高まっていると感じているが、まだまだ浸透しているには至っていない」と話します。
県警によりますと、2023年度に県内で発生した自転車乗車中の交通事故の死傷者は94人で、このうちヘルメットを着用していた人はわずか16人、着用率は約17%にとどまっています。
年代別に見てみると、自転車の利用は中学生・高校生や70歳以上の高齢者が多くなっています。その中でも事故件数が最も多いのは高校生で、負傷者全員がヘルメットを着用していませんでした。また、死亡者は70歳以上の高齢者2人で、1人はヘルメットを着用していませんでした。
また、過去5年間の自転車乗車中の事故での死亡者数は17人で、そのうち頭部損傷が原因だった8人は、全員がヘルメットを着用していませんでした。頭部損傷が致命傷となることを避けるため、ヘルメット着用がいかに重要かがうかがえます。
県警交通企画課では「自転車の乗って頭部にけがをした場合、ヘルメットをしていないと致命傷率が2.4倍になるという警察庁の統計がある。大切な命を守るため、被害を軽減するため、ヘルメットの着用は非常に重要」と話しています。
では、県内のヘルメットの販売状況はどうなっているのでしょうか。福井市内の量販店「PLANT3」の店内には、自転車用のヘルメットが並んでいます。
安全性はもちろんのこと、帽子の形をしたオシャレなものやスタイリッシュなものなど、様々なデザインがあります。県内にあるPLANTの昨年度のヘルメットの売り上げは、前の年度と比べて約2倍となったということです。
法律上、ヘルメットの着用は努力義務なので、罰則や強制力はありません。しかし、命を守るためにも、県警は「自転車を利用する際は、安全を第一に考え、年齢を問わずヘルメットを着用してほしい」と呼び掛けています。
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