番組紹介

エ・ク・ボ通信

若狭かれい
2019年12月22日(日)放送

小浜市にある若狭小浜お魚センターには、11軒の魚屋が軒を連ね、毎朝、若狭湾の新鮮な魚介が店頭に並びます。

そんな魚屋の店頭にこの時期だけお目見えする一品、それが「若狭かれい」です。

若狭かれいが店頭に出始めるのは、小浜で底曳き網が解禁になる10月を過ぎてから。11月から12月ごろが一番おいしいといいます。

 

一口にカレイといっても、日本近海には、40種類近くいるといわれ、その中で、若狭かれいに加工されるのは、「ヤナギムシガレイ」だけです。ヤナギムシガレイは、形が笹の葉に似ていることから、ササガレイとも言われ、食べた味からアマガレイとも言われています。

 

若狭かれいは、新鮮なヤナギムシガレイの鱗をとり、塩をした後串刺しにして、一晩干して作ります。

 

小浜の魚屋で作る小浜魚商組合の野村浩理事長によると、若狭かれいの味の決め手は、加工の際の「塩加減」だそうです。塩をする方法、塩の量、干す時間などは、各店舗によって異なり、当然、味も変わってきます。小浜市民は、お気に入りの味を求め、店を選ぶのだそうです。

 

 

若狭のカレイのおいしさは、古くから知られ、江戸時代の書物、「日本山海名産図会」には、次のように記されています。

「淡乾(しおほし)の品多しとはいえども、是天下の出類、雲上の珍美(ちんび)と云うべし」

『塩干しの製品は、たくさんあるが、若狭のカレイは、全国でも抜群の味で、朝廷でも食べられるほどのめったにないおいしさだ』

まさに、最上級の賛辞が与えられています。

 

毎年、皇室にも献上されている若狭かれいは、小浜市の若狭小浜ブランド認定制度で最初に認定された、まさに、小浜が誇る味。

 

 

前出の野村さんによると、カレイを使った料理には、煮付けや唐揚げなどいろいろあるが、若狭かれいは、やっぱり、軽く炙って食べるのがおいしいのだという。かつては、小浜のどの家庭でも食べられてきた若狭かれいですが、近年は、お歳暮などの贈答用によく贈られているといいます。

 

野村さんは、「ヤナギムシカレイの水揚げ量が減って、若狭かれいに加工する量も減っている。いつまでも、小浜の味若狭かれいを残していけるよう取り組んでいきたい。」と話しています。

 

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