福井市下莇生田町にある、ホクサン理商。実験や研究に使う器具や計測機械など、理化学機器を取り扱うある会社です。

社内には実験道具が飾られていますが、ビーカーに観葉植物が植えられていたり、フラスコにパスタやコーヒー豆が入れられていたり、まるで雑貨屋のような雰囲気です。

この会社の代表を務めるのは、福島実さん。これまでは実験を行う会社に実験器具を販売していましたが、普段の生活でも使ってもらおうと、「理系雑貨」を提案しました。

福島さんの自宅では、「試験管立てを使い、歯ブラシを立てたり、工具を並べたり、昔から実験器具を普段使いしていた」といいます。それを思い出した福島さん。“実験器具を実験器具ではない使い方”をしたら、暮らしの中でも十分使えると考えました。

福島さんは、一般の人でも実験器具を買える機会をつくろうと、約５年前にネットショップ「RIKEI-ZAKKA～理系雑貨のある暮らし～」を始めました。

当初、実験器具を並べて、ビーカーをビーカーとして販売していましたが、反応がなく、全然売れなかったといいます。そこで福島さんは「コーヒーをビーカーで飲む」「ビーカーに花を入れる」など、暮らしの中に実験器具を取り入れた使い方を提案するようにしたところ、反応が増えてきたといいます。

実験器具は、元々実用的で、シンプルなデザイン。材質も良い物です。「理系雑貨という言葉を知ってもらい、暮らしの中でも使える器具がある事を知ってもらえるよう、広めていきたい」と福島さんは意気込みます。