若狭町にあるラーメン店「麺屋銀河」が、去年開催された梅を使用した新商品コンテストで最高賞を受賞しました。その新商品とは、麺にもスープにも福井梅がたっぷり使われた「梅らーめん」。もちもち食感の赤色の麺と、酸味の効いたさっぱりスープのラーメンです。

　開発したのは麺屋銀河の代表、中西佑介さんです。父親の実家が梅農家だった中西さんは、幼い頃、梅干しをつくる際にできる梅酢を捨てていることを聞いて、何かに使えないかと考えていました。

　そんな時、三方五湖青年会議所が、ご当地のおいしい物を集めたイベントを計画。中西さんも、地元の食材を取り入れた実験的な商品を作って参加することにしました。そこで考えたのは、梅酢を使ったラーメンでした。しかし、見た目を重視した最初の梅らーめんは、味はイマイチ。せっかくならおいしい梅らーめんを作ろうと、イベント後、本格的に開発をスタートさせます。

　実は、梅干しとラーメンの組み合わせは製麺に不向き。生地が固まりにくいのです。しかし、様々な工程や製法を試し、製麺を成功させました。またスープは、梅干し感を出そうとすると塩辛くなってしまい、塩辛さをなくそうとすると梅干しを感じないため、その塩味の調整に時間が掛かりました。

　開発に半年ほど掛け、ようやく完成した「梅らーめん」。最高賞である特別金賞を受賞したコンテストは、「全国梅サミット特産品セレクション」。これまでになかったアイデアと味が評価された結果でした。

　「若い世代が、新しい物を生み出す、そのきっかけに梅らーめんがなれば」と話す中西さんは、これを弾みに地域を盛り上げたいと考えています。