ニュース

LIVE NEWS

嶺南に「新しい土産」続々登場 新幹線開業にらみ歴史や風土アピール

北陸新幹線の敦賀までの開業が約2年後に迫る中、嶺南各地では新たな土産物の開発が活況を見せている。いずれの商品も異色のタッグで開発されたもので、歴史や風土をアピールしている。

 

港町敦賀、この地で1940年に創業した珈琲専門店「新田珈琲」。県内で初めて自家焙煎を始めたとされている。店を営むのは3代目、新田和雄さん・千香子さん夫婦。和雄さんは全国でも数少ない最難関のコーヒー鑑定士(J.C.Q.A認定コーヒー鑑定士)。千香子さんは、風味判別で日本一のカップテイスター(JCTC日本チャンピオン)。その味を求めて、市内外から多くの人が集まる。

 

新たな土産品はコーヒーリキュールで、新田珈琲が厳選し焙煎した珈琲豆をウオッカと調合した。プロデュースしたのは、100年続く市内の老舗酒店「ウタ」。

 

打它将社長は「コーヒーオンリーでこれだけ人が集まるそれだけ魅力がある。人は地域の宝、誇り。何とか特産品に繋げられないかとの発想からプロジェクトに参加した」と話す。また新田和雄さんは「(使用した豆は)デカフェのコロンビア、苦みとほのかな香ばしさを感じられるようやや深入りにした」、千香子さんは「カラメル感のある珈琲の香りがお酒の香りと一緒に漂ってくる。お酒とコーヒー、敦賀のまちや人々が調和した味に仕上がっている」と話す。

 

続く新土産は、寺院との共同開発。敦賀の名所「気比神宮」ゆかりの寺院がコンセプトの和菓子だ。

 

その昔、気比神宮には神道と仏教が結びついた日本最古といわれる「気比神宮寺」があり、由来する6つの寺が今も残っている。この歴史に気比神宮門前の老舗菓子店「小堀菓舗」が着目した。

 

小堀菓舗の小堀真嗣社長は「気比神宮と港を繋ぐ導線上に、日本最古の神宮寺ゆかりの寺がある。エピソードが(土産品から)見えるとそのまちの魅力が伝わる。そういうことが大事と、その思いを込めた」と語る。土産品は、気比神宮とその6つの寺院の紋をかたどっている。

 

お披露目には、ゆかりの6つの寺院が今春始めた写経などの「お寺体験会」を選んだ。購入した人は「自分が味わってから友達にと思って」と話す。「けいさん」と呼ばれ、市民に親しまれる気比神宮。暮らしに根付く伝統文化を発信していく。

 

そして「世界一美味しい!」と胸を張るのは、開発した若狭高校の生徒。若狭町からは三方湖の伝統漁法・たたき網漁で獲れた「寒ぶなの煮付け缶詰」だ。

 

400年続くたたき網漁の漁師は現在8人しかいない。伝統を守る瀬戸際と言う。食べて守ろうと民俗学の専門家(県里山里海湖研究所研究員)が立ち上がり、漁協と共に宇宙鯖缶の開発で知られる若狭高校に協力を依頼した。

 

40種類以上の味を試し、たどり着いたのは昔ながらのしょうゆ味だった。鳥浜漁協の田辺喜代春組合長は「おじいちゃんおばあちゃんが、いろりでコトコト煮て食べさせてくれた味。それが伝わるといいな。食べたことない人にも食べてほしい」と語る。三方湖ならではの味覚、観光客の心をつかむことができるのか注目だ。

 

さらに美浜町では、郷土料理へしこをアレンジした千鳥苑の「食べるラー油へしこ」。小浜市の「道の駅若狭おばま」の鯖街道にちなんだ商品など、地域色豊かな品々が誕生している。県嶺南振興局の小林弥生局長は「(今年は)若い人中心にきれいなデザイン、美味しい土産品ができている(新幹線敦賀開業の前年)2023年はPRの年にしたい」と意欲を語った。

 

その土地の魅力をどう形にするか、今年が勝負の年になりそうだ。 

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
PAGE TOP