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能登半島地震から5カ月後の“余震” 誘発地震の可能性を福井高専教授が指摘「鯖江と敦賀を注視している」
6月3日に発生した石川県能登地方を震源とする地震で、福井県内では嶺北北部で震度3を観測しましたが、被害はありませんでした。ただ、元日に発生した能登半島地震から約5カ月後の大きな地震ということもあり、北陸地方の地震を研究している専門家に見解を聞きました。能登半島沖での地震が、県内の「断層群」に刺激を与え「誘発地震」を招く可能性があると指摘しています。
長年、北陸地方の地震について研究している福井高専の岡本拓夫名誉教授に、3日の地震について聞きました。
福井高専・岡本拓夫名誉教授:
「震源が、能登半島地震とよく似た場所と言われている。マグニチュード7.6の本震時に割れが少なかったエリアに相当するので、余震といって差し支えない。震源の深さもよく似ている」
岡本教授は、3日の余震は、能登半島地震から8日後の1月9日に新潟県中越で発生した余震と同様、「割れ残った断層」が滑ったと分析します。また、能登半島地震から約5カ月後というタイミングについては「日本海側では通常、本震から1カ月後くらいに大きな余震が起こるケースが多いものの、大きな地震では1年後に起こったこともある。今回が特異な地震とは思っていない」としたうえで、能登半島付近では今後も大きな余震が起こる可能性があり、まだまだ警戒すべき期間中だと話します。
気になるのは、今回の余震で今後、県内へどのような影響があるかです。岡本教授がまず指摘するのは、石川県南部沖にある海底断層です。能登半島地震を起こしたとされる断層の南西の延長線上にあり、これが「割れ残った断層として滑る危険性がある」としています。
福井高専・岡本拓夫名誉教授:
「2000年に発生した石川県西方沖地震と今回の地震の間にある海底断層が、あまり地震活動がないので気にしている。全体が一気に動くとマグニチュード7クラスになるので、当然津波も発生する。福井県に近いエリアなので、県内は揺れるし、長周期振動も発生するので、あわら市などでの液状化が心配」
さらに、今回の余震が県内の「断層群」に刺激を与え、「誘発地震」を招く可能性もあるといいます。
福井高専・岡本拓夫名誉教授:
「大きな余震は、エネルギーがたまっている場所に(地震の)きっかけを与える可能性がある。それがちょうど福井県の真下で、鯖江や敦賀が気になる」
つまり岡本教授は、大きく2つの危険性を指摘しています。一つ目は、石川と福井の沖にある海底断層。これは能登半島地震を起こしたとされる断層の南西の延長線上にあります。これが「割れ残り」として滑る可能性です。この断層の端では2000年に地震も起こっています。二つ目は、一連の地震が県内にある断層群を刺激する「誘発地震」です。福井県沖の断層や、岡本教授が「空白域」と呼ぶエネルギーをため込んでいるとみられる地域で、敦賀や鯖江これにあたるとしています。「空白域」での地震は直下型となり、発生から揺れまで時間差がないのが特徴だということです。
今回の余震が本震から5カ月後に起こったように、岡本教授が指摘する危険性については、いつまで警戒しなければならないという期間はなく、常日頃から防災意識を持つことが必要です。
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