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2027年秋開業目指す「福井アリーナ」 地元企業の出資分5億円は「年内に目途」も“駐車場問題”など周辺環境整備が難航
経済界が主体となり、福井市の東公園に整備を計画している「福井アリーナ」について、21日に開かれた福井市議会の特別委員会で経済界は、地元企業などからの出資を見込む5億円の目途が、年内につくとの見通しを示しました。
福井アリーナの整備計画では、建設費の総額は約105億円とされています。行政の補助金で50億円、民間が55円を調達し、このうち10億円はメイン企業となるオールコネクトが出資し、30億円は金融機関からの融資を見込んでいます。建設に向けては、残り15億円の調達が必須となる中、地元企業などからの出資を見込む5億円について、経済界は「年内に目途がつく」との見通しを示しました。
21日に開かれた福井市議会の県都にぎわい創出対策特別委員会では、経済界から福井アリーナ建設に向けた進捗状況などが報告されました。
この中で福井商工会議所・県都みらい創造委員会の梅田憲一委員長は、民間企業が出資する5億円のうち、約4億円の目途がついたと述べました。
さらに目標とする5億円に向けても「年内の達成は十分に可能だ」としました。10億円を目標とする企業版・ふるさと納税については、現状、決定しているものはないものの、3億円を納付する意向を示す企業がいることが報告され、今後、運営の中心となるオールコネクトが付き合いのある東京の企業に呼びかけるなどして、達成を目指すとしました。
資金面で順調な報告がされた一方で、アリーナ建設に向けたスケジュールや、建設に伴う周辺環境の整備などについても市から説明がありましたが、地域住民が懸念する問題点への具体的な対策は示されませんでした。
懸念されているのは、イベント開催時の交通渋滞や駐車場問題です。
市の担当者が「仮に4000台の3割が空車とすると、1200台が停められる」と説明し、アリーナから半径800mのコインパーキングなどの台数を示したうえで「問題ない」としました。
これに対し鈴木正樹市議は「土日も3割くらい空いていると確認したうえで、3割あれば大丈夫という認識なのか?」と問いただすと、市の担当者は「駅周辺の駐車場は土日は満車に近いところがあるのは把握しているが、全体として3割空いているか把握しているものではない」と答弁。
すると皆川信正市議は「こんな勝手なカウントで、ここに4000台分あるから3分の1の1200台停められるという報告は、この委員会で出すには無責任すぎる」と追及しました。
他の議員からも、アリーナ建設に伴う問題点への具体的な対策を求める声が上がり、周辺住民への丁寧な説明を要望しました。
建設に向けては2025年冬ごろ、国に対し交付金を申請し、再来年の1月以降、建設工事が始まる予定で、2027年秋の開業を目指しています。
資金面の目途はつきつつあるものの、駐車場のシミュレーションなどは具体的にできておらず、周辺環境整備の対策は不十分との指摘もありました。交付金申請も間近に控え、住民への丁寧な説明が求められます。
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