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当面は“ニンジン不使用”の献立に 「給食への異物混入」で福井市が食材の納入業者に調査を指示
福井市の学校給食に相次いで異物が混入していた問題について、市は25日、「納入されたニンジンにガラス状のものが付着していたことが原因」と発表しました。
市は、ニンジンを発注先である福井中央市場青果卸売協同組合に対し、どこで混入したのかを調査するよう指示しました。
また、市は当面の間、給食の献立にニンジンを使わないことを決めました。
11月13日と20日、福井市内の中学校と小学校あわせて3校に提供された給食から、相次いでガラス片やガラス状のものが発見された問題で、市は25日、食材として納入されたニンジンに原因があったと発表しました。
市によりますと、25日10時30分頃、福井市学校給食センターの職員が、ニンジンの皮をむく機器の受け皿の中に小さなガラス状のものが混ざっているのを発見しました。ニンジンはセンターの保管庫にあったもので、職員が保管庫内のニンジンが入っていた段ボール箱を確認したところ、ニンジンやその段ボールの底に小さなガラス状のものが複数付着しているのが見つかりました。
このニンジンは19日に納品され、異物混入があった20日の給食にも使用していました。そして25日も、19日に納品されたニンジンを使って調理していたため、原因判明後すぐにセンターは市内46の小中学校への、ニンジンを使った献立3品の提供を中止しました。
すでにそのメニューが配膳されていた学校には、食べないよう指示したため児童や生徒らの口に入ることはありませんでした。
センターは異物混入が相次いだことを受けて、21日から2日間、市内46校への給食の提供を中止し原因を調査。施設内での調理の過程で異物が混入することはないと判断し、給食を再開したばかりでした。
ガラス状のものの付着が発見されたニンジンは、センターが福井中央市場青果卸売協同組合に発注し、仲卸業者を通じて納品されたものでした。市は、ニンジンを納品した業者と関係機関への調査を指示しています。
市の野菜は、すべて青果卸売協同組合から仕入れていて、ニンジンについては組合からの納入をやめ、自校式の学校を含む市内72の小中学校で当面の間、二ンジンを使った献立を取りやめます。
また市は、対策として▼業者が納入前に異物の混入確認を徹底すること▼センターで食材納入時の確認を徹底することをあげています。
このほか、異物の混入を発見した場合は、該当する献立の食材は安全性確保のためすべて納入業者に返品することも検討したいとしています。
25日は、福井市の学校給食センターが提供している福井市内46の小中学校の給食が変更となりました。
取材したある中学生によると給食前、4時間目の授業の後に、校内放送で給食メニュー変更の知らせが入ったそうです。
給食の直前ということもあり、この時点で詳細な説明はなく、生徒の間では「またどこかの学校で異物混入があったのだろう」という認識だったそうです。
25日の本来のメニューは「地場野菜のかき揚げ」「まいたけの中華炒め」「豆腐の中華スープ」「ごはん」「牛乳」の5品の予定でした。
この時点で、21日、22日の給食停止を受けた一部予定変更があったようです。
しかし、異物混入の原因とみられるニンジンが入ったメニューを避けるため、25日に実際に子供たちが食べたのは「かき揚げ」「ごはん」「牛乳」のわずか3品でした。
食べ盛りで、体を作る大事な給食。生徒たちにとってはやはり物足りなかったようで「量が少なすぎる。これだけ少ないのは小学校時代を含めて初めて」「みんな、ごはんをたくさん食べたので、おかわりするごはんが余らなかった」「きょうの分の給食費はどうなるのか」といった声が上がったそうです。
急に給食が予定通り提供できなくなった場合、他のメニューを出すことはできないのか、福井市教育委員会に聞いたところ「アレルギーなどを含む安全の確保ができない。学校給食センターが用意する給食は1万3000食あり、この量を業者が対応できないため」としています。
今回、給食への異物混入の原因はニンジンにあるとされましたが、ガラス状のものが一体どこで混入されたのか、さらなる究明が待たれます。
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