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「福井アリーナ」市議会特別委で市から新たな報告なし 議員からは「白紙から見直すべき」との厳しい意見も 開業は最長1年遅れの見通し
福井市の東公園に整備を計画をしている福井アリーナは、資材の高騰などの理由から
計画見直しに迫られ、開業時期が最長で1年遅れる見込みとなっています。3日にはアリーナの問題を審議する福井市議会の特別委員会が開かれましたが、市から新たな報告は一切なく、出席した議員からは市の姿勢を批判する意見が出されました。
福井アリーナを巡っては、資材の高騰や騒音対策などの検討が不十分だとして、2024年11月、整備の主体となる福井商工会議所などが建設計画の見直しを福井市議会に報告。この見直しにより、2027年秋としていた開業が最長で1年程度遅れる見通しとなっています。
2カ月以上が経過した2月3日、福井市議会ではアリーナ問題を審議する「県都にぎわい創出対策特別委員会」が開かれました。冒頭で市の担当者は「経済界で、事業計画・収支計画等の再検討を進めていると聞いているが、現在のところ本日の委員会で説明ができる新たな報告や関連する資料提出はない」と現状を報告。市からアリーナに関する新たな報告はありませんでした。
これに対して一部の議員からは、厳しい意見が上がりました。アリーナ利用者が使う周辺駐車場の調査状況について鈴木議員は「この3カ月は何をしていたのか。報告はあって然るべき。駐車場についても地元住民が懸念を持っているのだから、元となるデータを調べる必要があると思うが、それもやっているのか、やっていないのか」と問いただしました。
しかし、市は「駐車場のことを考えていくことは必要だと考えているが、報告できることは現状ない」との答弁にとどまりました。
また議員からは、地域住民が懸念するアリーナ開業後の交通渋滞について「開業後の交通シュミレーションについて十分な調査結果が示されていない」との指摘もありました。
これに対して市は「詳しいシミュレーション結果は3月末までに提示する予定だったが、事業計画の延期に伴って年度をまたいで報告することになった」とし、詳細なシミュレーションは、あくまでもアリーナの事業内容が確定するのを待つ考えを示しました。
また、アリーナがバスケットボールチーム・福井ブローウィンズの拠点となることについて、議員からは「バスケ自体の盛り上がりが薄まってきているのではないか。市民が多目的に活用できる施設にするべきではないか」といった意見も挙がりました。
福井市によりますと、福井アリーナの計画延期に伴って、市は行政手続きや工事の工程などの見直しを行っています。また、経済界は企業からの寄付金集めや、銀行との借り入れの協議などを進めているということです。
こういう状況に議員からは「経済界から熱意を感じない。地域住民からもいろんな批判がある中で、白紙から見直すべきではないか」との厳しい意見も出ていました。
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