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福井女子中学生殺人事件 再審の判決は7月頃の見通し 名古屋高裁金沢支部で最後の三者協議
38年前に起きた福井女子中学生殺人事件で、殺人罪で服役した福井市の前川彰司さんの裁判のやり直しに向けて、裁判所と検察、弁護団による最後の三者協議が20日、名古屋高裁金沢支部で行われました。判決は7月頃に言い渡される見込みであることが分かりました。
再審前、最後となった三者協議には、名古屋高裁金沢支部の増田啓祐裁判長と裁判官、検察官、弁護団が参加し、公判当日の流れを確認しました。
弁護団によりますと、再審では改めて関係者の証言の信用性を争います。関係者の証言は信用できないとする弁護団に対し、検察側はこれまでの証拠を基に、証言は信用できるとして「有罪」を主張する方針です。
一方で検察は、関係者が事件当日に見たと証言したテレビ番組が実際には放送されていなかった事実を認め、この証拠を撤回。また、前川さんを逮捕する決め手となった血痕について、弁護側が「被害者の血液ではない」とした証拠に同意するとしています。
前川さんは「検察が撤回するということは、目撃証人とつながらない。再審開始決定の決定書の末尾に裁判官が『犯人と認めることができない』とした文書が確定している。これは非常に心強い」と話します。
また、判決の言い渡しは7月頃の見通しであることが明らかになりました。
吉村弁護士は「一歩一歩前進していると思っている。検察がいまだに主張を維持するのは残念。しかし、それも影響なしに判決が出るだろう。お父さんが早く無罪が欲しいと言った。この訴えを裁判所にぶつけて、結審につながっている。この1回を充実したものにしたい」と話しています。
前川さんの再審公判は3月6日午後2時から開かれ、証拠の取り調べについて、検察側(約15分)と弁護側(約60分)の弁論が行われた後、前川さんが意見陳述をする(約5分)ということです。即日結審し、判決の言い渡しは7月頃の見通しです。
また、この三者協議を前に、前川さんを支援する日本国民救援会が、1月から2月20日までに集めた、前川さんの無罪判決を求める約1400人分の署名を高裁金沢支部に提出しました。
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