ニュース
県内のニュース

加齢でリスク高まる「胃がん」 50代からは患者数、死亡率ともに上昇 ピロリ菌の早期発見へ推奨は内視鏡検査 【福井発】
かつて日本人のがん死亡率ナンバーワンだった「胃がん」。治療の進歩や検診の導入などで胃がんによる死亡者数は減少傾向にあります。しかし、実は50代からは患者数も死亡率も上昇しています。
◆50代から胃がんの死亡率が上昇
福井大学医学部附属病院・消化器内科の高橋和人医師に話を聞きました。(※高ははしご高)
高橋医師によると、胃がんの患者は50歳頃から急に増えるといいます。胃がんは、胃の内側を覆う粘膜の細胞が悪性腫瘍=がん細胞となる病気のことで、進行するとがん細胞は胃の外へ広がり、ほかの臓器へ転移する可能性もあります。
胃がんの死亡率を年齢別に表したデータでは、50代を境にその数が上昇傾向にあることが分かります。高橋医師は「胃がんの原因はヘリコバクターピロリ菌による感染症だということが分かってきている。胃の中に感染する細菌の一種が慢性胃炎を起こして胃がんが発症していく。慢性胃炎が進行してから胃がんが発症することが多いのが50代頃から」と話します。
◆無症状の場合もあり
加齢とともに胃がんの原因となるピロリ菌感染のリスクが高まります。胃がんは、症状がある人と全くない人に分かれるといい、「みぞおちの辺りの痛みや不快感、お腹の張りやげっぷ、胸やけといった症状がある。だが、胃がんがかなり進行しても症状が出ないこともある。症状が1~2週間と長く続く際は、一度受診してもらいたい」とします。
◆早期発見へ推奨は内視鏡検査
進行すると死に至る病気なだけに、無症状の場合はいかに早期発見につなげるかが重要となってきます。胃がんの原因となるピロリ菌に感染しているのかどうかを発見するために、高橋医師は「特に50代以上は定期的な検診を受けることが大切だ」といいます。
検診は、個人や企業で行う人間ドックのほかに、市町でも行われていて、50歳以上は、2年に1度のバリウムを飲んで胃の状態を検査するX線検査か内視鏡検査(胃カメラ)のどちらか一方を選択して受診することができます。推奨されているのは内視鏡検査で、胃がんの発生原因となるピロリ菌感染の早期発見につながるということです。
一緒に読まれている記事
-
治りにくい子供の風邪…もしかして川崎病? 目や舌などに見逃せない6つのサイン 症状や受診の目安を専門医に聞く 【福井】
-
ゴールデンウイークの天気は? 晴れの日多いが後半は下り坂で“隠れ雨マーク”に注意 熱中症対策も必要に【福井発】
-
紫外線リスクが引き起こす「皮膚がん」 ほくろと“悪性”の見分け方はある? 専門医が解説【福井発】
-
「百日咳」感染者が3カ月で2024年の3倍 乳児は重症化の危険性 予防接種で罹患リスク85%低減も 県が対策呼びかけ【福井】
-
高齢者だけじゃない!“運動のし過ぎ”も発症原因に 「変形性膝関節症」自覚症状ない患者は3000万人【福井】
-
免疫異常で発症する慢性の皮膚疾患「乾癬」 近年は“オーダーメイド治療”が可能に 「まずは受診を」医師が呼びかけ【福井】
-
日本人の3人に1人が発症「帯状疱疹」 疲れ・ストレスによる“免疫低下”が要因 近年は20代~40代の若い世代にも広がる【福井】
-
腰痛は春に多い!?“雪かき疲れ”に引っ越しシーズン 痛みのメカニズムを医師が解説 理学療法士が簡単ストレッチ法を伝授
-
心不全や脳梗塞につながる恐れも 年齢を問わずリスクある「不整脈」 まずはセルフチェック「検脈」を【福井】
-
患者の8割が女性「関節リウマチ」 放っておくと“関節破壊”が始まり日常生活にも支障 早期発見のポイントを専門医が解説【福井】
- 広告