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弁護団「捜査機関の誤った誘導や捏造あった」1時間かけ無罪を主張 検察側は文書読み上げ有罪を主張 前川さん再審公判 <福井女子中学生殺人事件>
39年前に福井市で起きた女子中学生殺人事件で逮捕・起訴された前川さんの再審公判では、6日午後0時40分傍聴席の抽選券が配布されましたが、傍聴券63枚に対して225人が抽選券を受け取っていました。倍率は約3.5倍。注目度の高さがうかがえます。
再審公判を終えた前川さんは、記者会見で「意見陳述で言いたいことは言えたと思う。やはり憤りや腹立たしさは当然ある。初めから検察の判断が間違っていた。何人か証言が出てきて私が犯人と言っているが、警察・検察がうそを見抜けなかった。ここにそもそもの原因があったのではないか。無罪判決をもらってから、父親のところに行って、無罪を晴らしたと報告したい」と語りました。
弁護団長の吉村悟弁護士は「ここまで明らかに検察の不正とまで言われたことを、そのことの返事を全然せずに、こんな弁解は通じない。私以上に、裁判官は怒っているのではないか。それが何より再審決定に現れている。こんなことをしていたら日本の検察制度が崩壊するのではないか。不正は認めて謝罪するべき。非常に情けない。情けないことを裁判官がどの程度理解し、批判してくれるかに期待している」としました。
前川さんの弁護団は約1時間かけて無罪を主張しました。前川さんと交流のあった複数の関係者の供述は二転三転していて、客観的な裏付けがない捜査機関の誤った誘導、捏造もあったと強く主張していました。
対する検察側は約15分かけて有罪を主張しました。これまでと同様に前川さんの複数の関係者の供述が概ね一致していると、淡々と文書を読み上げていました。しかし、新しい証拠は提出しませんでした。
前川さんの表情はここまで落ち着いていましたが、最後の意見陳述で一変しました。弁護側に座っていた前川さんがその場で立ち上がり、事前に用意した文章を読み上げました。「無実」「犯人ではない」「事実無根」と訴えた後、「検察は判断を誤っていた」と5秒ほど黙ってじっと検察側をにらみつけました。それは怒りにも似た表情でした。
判決は7月18日の午後2時に言い渡されます。
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