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「必ずしも米原ルートが早いわけではない」国が小浜・京都ルートでの整備を強調 北陸新幹線の新大阪延伸めぐり京都で説明会 地下水への影響も改めて否定【福井発】
北陸新幹線の敦賀から新大阪までの延伸をめぐり、国土交通省や鉄道・運輸機構は25日、京都府内の自治体を対象に「小浜・京都ルート」の説明会を初めて開きました。国側は、京都府や京都市が懸念する「工事による地下水利用への影響はない」と強調しました。また、米原ルートについて「必ずしも、小浜より米原ルートの完成が早いわけではない」との認識を示しました。
25日、京都市内で開かれた説明会には、京都府や府内23の市町村の担当者41人が参加しました。
国は、京都市内の新駅周辺350メートル圏内で、工事の影響により最大1メートル、水位が低下するとの予測を説明しました。ただ、その他の地点では、地下水の水位や水質への影響はないとし、酒造業者などの地下水の利用に「影響を与えない」と強調しました。
また、工期が短いなどの理由で石川県内で見直しを求める声がある米原ルートについて、国交省幹線鉄道課の北村朝一課長は「実際にどれだけかかるか正確なことは言えないが、小浜・京都ルートの環境影響評価をやっている中で、米原ルートで一からやるとなると、それだけで4~5年はかかる。沿線自治体の同意を得る時間を考えると必ずしも米原ルートの方が早くできるというわけでもない」と改めて、小浜・京都ルートで整備を進める方針を示しました。
説明会で国は、建設発生土の処理や工事中の渋滞などの対策についても説明したものの、現状の対策では不十分という認識で、国は引き続き期限を設けず、京都府内の自治体に丁寧な説明を行うとしています。
2016年に与党PTが決定した「小浜・京都ルート」。当時の国交省の試算で小浜ルートは、事業費が約2兆700億円、工期15年、敦賀-新大阪の所要時間43分でした。一方の米原ルートは、事業費が約5900億円、工期10年、敦賀-新大阪の所要時間は乗り換えが発生するため1時間7分でした。
25日の国の説明では、環境影響評価や沿線自治体の同意を得る時間などを考えると、それだけでも4~5年かかるとしていて、必ずしも米原ルートが早いとは言えないということでした。
小浜ー京都ルートでの早期着工を確実に進める上で欠かせないのが京都府内の「理解」ですが、果たして理解が深まっていくのかが注目です。
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