番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

認知症について

今日のドクター

日本認知症学会 専門医
上野 亜佐子 先生

病気説明

誰でも歳を取ると脳も老化していきますが、それによって物忘れが増えるのは、ごく自然なことです。ですが、脳の機能の病的な障害によって起こるものがあり、それを認知症といいます。
例えば『昨夜の夕食のメニューを思い出せない』というものでは無く『夕食を食べたこと自体を覚えていない』という、体験したことすべてを忘れるようなものが認知症による物忘れになります。このように物忘れの程度が強かったり、身の回りの事が出来なくなり日常生活に支障をきたしたりします。年齢による物忘れよりも症状の進み方が早いのも特徴です。
認知症にはいろいろなタイプがありますが、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症が多くみられます。65歳以上のおよそ4人に1人が認知症かその予備軍と言われています。若いときに認知症を発症すると若年性認知症と言われ、40代後半から60台前半に生じます。若年性認知症も普通の認知症も基本的には同じような症状で、『大事な事を忘れるなど物忘れが強くなった。』、『今まで出来ていたことが出来なくなった』などそれまで毎日していた仕事や作業が出来なくなった、買い物や入浴・着替えなどが出来なくなったという場合には注意をしてほしいと思います。

意外と知らない?対処法
認知症には治るタイプのものもあります
『認知症は治らない』と思っている方が多いですが、実は認知症には治るタイプのものもあります。ビタミンB不足、甲状腺や副腎などのホルモン、電解質のバランスが崩れている場合や、脳炎、自己免疫疾患から認知症の症状が出ている場合もあるので、その場合、原因となる病気の治療が認知症を良くすることにつながります。アルツハイマー型認知症などの場合も早期発見・早期治療が病気の進行を遅らせる治療が出来ますので、おかしいと感じたら、神経内科で相談をしてほしいと思います。
生活習慣を整えましょう
認知症を発症する原因はまだ完全にはわかっていませんが、認知症は生活習慣と関係があると考えられているので、生活習慣を整えることが認知症の予防や改善につながるといわれています。ウオーキングなどの有酸素運動、人とコミュニケーションをとることもよく、そのためには趣味を持つことも良いことです。また、長続きすることが大切で毎日の家事をすることもよいことです、食事のメニューを考えたり買い物にいくことは体や頭をつかうことになります。食生活も大事で、高血圧、糖尿病も認知症を悪化させるため、薄味などにも気をつけ、禁煙を心がけていただきたいと思います。生活習慣を整え認知症の予防や改善につなげて欲しいと思います。
まとめ
認知症は、加齢の影響や遺伝的な影響というのは避けられませんが、普段から栄養のバランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を行い、早期発見・早期治療のためにも、自覚症状を感じたら早めに医師に相談をして欲しいと思います。
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