番組紹介
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胃潰瘍について
2018.12.03(月)放送
今日のドクター
日本消化器病学会 専門医
齋藤 萌加 先生
病気説明
胃の内側は、酸の強い胃酸にさらされるため、胃の粘液層が胃の壁を守っています。ですが、なんらかの原因で胃の粘液層が傷つき、胃酸によって胃粘膜がダメージを受けた状態を胃潰瘍といいます。
胃潰瘍自体発症する人は減少傾向にあるのですが、自覚症状でもっとも多いのは、みぞおちの痛みです。空腹時より食事中や食後に起こることが多く、他にも胸焼けが起こる場合もあります。胃潰瘍の起こった場所によっては背中が痛くなることもありますし、胃潰瘍が血管を巻き込んで破綻して出血すると、血を吐いたり、スミのような黒い便が出たりもします。
意外と知らない?対処法
- ピロリ菌感染が主な原因です
- 胃潰瘍の大きな原因はピロリ菌という、胃に棲み着く菌です。ピロリ菌がいることで胃潰瘍になる場合が主ですが、最近はピロリ菌の感染減少やピロリ菌の除菌が広く認知された事もあり、胃潰瘍の発症は減少傾向にあります。他にもストレスや暴飲暴食、高齢の方は一部の血液抗凝固剤なども原因になりますが、ピロリ菌感染のある方のほうが、胃潰瘍を発症する可能性は高くなります。ピロリ菌感染の有無は血液検査や呼気検査で簡単にわかりますし、検査で感染が確認された場合は、除菌治療を受けてほしいと思います。
- ピロリ菌は胃がんと大きく関わっています
- 潰瘍とはただれた状態の事を言うので、胃がんが胃潰瘍の状態で見つかることはあります。また、ピロリ菌は胃がんと大きく関わっています。胃がん患者の多くの方が、ピロリ菌の感染者もしくは感染経験者ですし、ピロリ菌の感染は胃がんのリスクを6~8倍も高めてしまいます。ですから胃潰瘍の背景にピロリ菌の感染がある場合には、胃がんにも注意してほしいと思います。
- まとめ
- 胃潰瘍はそこまで大きな病気というわけではないですが、お話ししたように胃潰瘍にはピロリ菌の感染が隠れている事もありますし、ピロリ菌が胃がんと大きく関わっていると考えられているので、おかしいと思ったら病院で検査を受けてほしいと思います。
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