番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

痛風について

今日のドクター

福井県糖尿病対策推進会議幹事
夏井 耕之 先生

病気説明

痛風とは、足の親指の付け根に起こりやすい関節の炎症で、歩けないほどのひどい痛みとともに突然関節が赤く腫れ上がる病気です。
痛風の発作そのものは、痛み止めの薬と安静で、数日から10日ほどでおさまり、痛みは嘘のように消えてしまいますので、一時的なもの、と勘違いしやすいのですが、実は血液中の尿酸値が高い状態だと繰り返しおこることがあり、また、高血圧症や脂質異常、高血糖といった生活習慣病を合併しやすいので注意が必要なのです。
原因としては高尿酸血症が挙げられます。健康診断の項目にも「尿酸値」というのがありますね。これが高い、つまり血中の尿酸が多すぎる状況が続くと、それが結晶になって体内のあちこちに沈着します。特に関節に付着して、なにかの拍子に関節腔内に剥がれ落ちると、激烈な炎症反応を起こすのです。『尿酸』というとお酒や食べ物に含まれる『プリン体』を気にする人が多いのですが、実は食べ物で摂取したプリン体由来の尿酸は、全体の20%ほどに過ぎず、残りの80%は体内で作られるものです。生物学的女性では女性ホルモンであるエストロゲンに尿酸の排泄を促す作用がある為、一般的に男性の方が尿酸値が高いのですが、女性も閉経後は尿酸値が高くなります。

意外と知らない?対処法
暴飲暴食や肥満に注意しましょう
尿酸の材料は、食べ物由来、あるいは身体の細胞内にあるプリン体です。プリン体は、細胞にとってのエネルギー源であるATPや、細胞核の核酸、すなわち遺伝子DNAなどの構成要素です。細胞の代謝や入れ替わりのため、プリン体は常に生成されては代謝され尿酸となって排泄されます。そこで、体内での尿酸生成が多い場合と尿酸摂取が多い場合、それから尿酸の排泄が少ない場合に尿酸値が高くなるのです。つまり、たくさんはいってくる・たくさんできるか、出ていかないか、ですね。前者では、暴飲暴食や飲酒、肥満、あるいは過激な運動やダイエットでの細胞破壊、場合によってはがんの治療、などというケースもあります。また遺伝的に尿酸を作りやすい体質があります。後者は、やはり遺伝的に腎臓の働きに関連して尿酸が出て行きにくい体質、というものがあります。
尿酸値に気をつけましょう
高尿酸血症の状態で、特に足に過激な負担がかかると痛風の発作がおこるので、まずは尿酸値をさげること、次に、過激な足への負担を避けること、ですね。そのためにはまず、プリン体の摂取をへらすと並行して、総カロリーにも注目して、暴飲暴食や早食い、肥満を避けることです。お酒はアルコール自体が尿酸の産生を増加させたり排泄を低下させたりするので、例えばビール以外のものでも、飲み過ぎには注意ですね。さらに大事なこととして、尿酸が高い方では、その生活スタイル全体からの影響、そして尿酸自体の作用もあって、高血圧・高血糖が伴うことも多く、また血管の壁を痛めることで動脈硬化を進めると言われています。
まとめ
痛風だけでなく、尿酸値は生活習慣病と深い関係があるので、健康的でストレスの少ないライフスタイルへ、ということで、様々な病気の予防に繋がります。遺伝性もありますので、特にお身内に尿酸値が高いかた、痛風を起こされた方がおられる場合には一層のご注意をお願いします。
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
PAGE TOP