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風疹について
2019.01.28(月)放送
今日のドクター

日本周産期・新生児医学会 専門医
髙橋 仁 先生
病気説明
風疹は、風邪などと同じく飛沫感染でうつる感染症です。2〜3週間の潜伏期間の後、発熱や発疹、リンパの腫れといった症状を特徴として発症します。感染しても1〜2割の方は症状が出ない場合もあります。予防する方法は、マスク・うがい・手洗い・人ごみを避けるなど一般的な方法がありますが、最も有効な方法は、ワクチンを受けることです。この風疹ですが、妊娠中の女性に感染すると胎児に影響が出る可能性があるので特に注意が必要です。妊娠経験のある方や女性はご存知の方も多いと思いますが、妊娠しているときに風疹にかかると、胎児にも感染する可能性があり、生まれてくる赤ちゃんの耳や目、心臓に障害が出る『先天性風疹症候群』になる危険性があります。妊娠をすると風疹に対する免疫力が十分あるかどうかを確認する抗体検査をしますが、風疹に対する抗体が無くても、妊娠中はワクチン接種を受けることができません。そのため、妊娠する前に、あらかじめ風疹に対する免疫力を知っておくことが大事です。妊娠を考えている方で、風疹にかかったことが無く、ワクチン接種が明らかでないという場合は、まず抗体検査を受けましょう。抗体の値が低かった場合は、妊娠をする前にワクチンを受けておくと良いと思います。
意外と知らない?対処法
- 妊娠初期は気をつけましょう
- 妊娠中に風疹にかかったとしても、胎児が必ず先天性風疹症候群になるわけではありません。先天性風疹症候群につながる危険性があるのは、妊娠の20週までと言われています。感染そのものの問題もあるので妊娠の後半であっても予防は必要ですが、先天性風疹症候群を防ぐためにも、妊娠初期は特に注意してください。
- 男性が流行を防ぎましょう
- 存知かもしれませんが、今、日本で風疹が大流行しています。流行の中心は大都市ですが、福井県でも増加の傾向があり、油断は禁物です。さて、この風疹の流行ですが、実は大人の男性に多いことが分かっています。風疹のワクチン接種制度は少しずつ今のような2回接種に変わっていったため、1979年以前に生まれた男性では、定期接種の対象になっていませんでした。その結果、30代-50代の男性は抗体の低い方が一定数おり、これが風疹の流行の一因であると考えられています。先ほどは妊娠する方の予防の重要性について述べましたが、流行全体のことを考えると男性にも対策が必要と言えます。現在、女性に対して無料で風疹抗体検査ができる制度がありますが、2019年度からは、その対象が、30-50代の男性まで拡大されるようです。ワクチンの接種がはっきりしない方や、特に、妊娠を考えている方が近くにいる場合などは、早めに抗体検査を受けるようにしましょう。
- まとめ
- 女性はもとより、男性も『男だから関係ない』と思わず、将来の子どもや孫たちを風疹から守るためにも抗体の検査をぜひ受けてみてください。
過去の放送
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- 2017年07月10日(月)放送飲み込みの障害について
- 2017年06月26日(月)放送ヘルパンギーナについて
- 2017年06月19日(月)放送高齢者の虚弱状態、フレイルの予防
- 2017年06月12日(月)放送循環器の不調から来るむくみについて
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- 2017年04月03日(月)放送子宮内膜症について
- 2017年03月27日(月)放送痛風について
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- 2017年03月06日(月)放送不整脈(心房細動)について
- 2017年02月27日(月)放送首のヘルニア
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