番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

食中毒

今日のドクター

日本消化器病学会指導医
渡邊弘之先生

病気説明

食中毒とは、食中毒の原因となる毒素、細菌、ウイルスが含まれている食べ物を口にする事によって起こる健康障害の事です。日本国内での食中毒発生状況は年間およそ2万人程度と言われており、細菌の増殖や、菌が発生する毒素が原因で嘔吐・下痢などの症状が現れます。細菌が引き起こす食中毒では、黄色ブドウ球菌やサルモネラ、腸管出血性大腸菌O-157やO-111があり、ウイルス性の食中毒ではノロウイルスやロタウイルス、自然界に存在する毒としてはキノコ毒やフグ毒、カビ毒があります。食中毒の予防は菌を『付けない』『増やさない』『殺す』というのが三大原則になりますので、三つの予防を心がけ食中毒に注意して下さい。

意外と知らない?対処法
十分な加熱をする工夫をしてください
加熱をすればほとんどの細菌は死滅しますが、黄色ブドウ球菌のような菌は食品中で増殖するとともに毒素を大量に発生させます。毒素が発生した後で細菌を死滅させても毒素が残っていれば食中毒を起こしますし、特に古くなった食材では、増殖した黄色ブドウ球菌から発生する毒素が、加熱処理後も残り、食中毒の原因になります。電子レンジは食べ物が均一に温まりますが、フライパンではハンバーグなど分厚いものは中心の温度が低く、殺菌が不十分になる事もありますので加熱をする場合には電子レンジで加熱後に、フライパンで焼くなど、中まで十分に加熱できるようにして工夫して下さい。
まな板の使い方にも工夫すると良いでしょう
まな板は肉や魚などの生ものを調理しますので、内臓の常在菌が繁殖しやすく注意が必要です。まな板など調理器具の洗浄が不十分だった場合、調理器具上で菌が繁殖してしまい、毒素と共に食べ物に付着して食中毒を引き起こす事があります。特にまな板は、一般家庭における調理でも魚介類や肉類用と、生で食べる事が多い野菜用と使い分ける方が良いとされています。まな板の裏表で使い分けるだけでも効果があります。また、出来るだけ生で食べる食材の処理を先に行い、肉類は最後に切るように工夫する事も食中毒の予防に良いでしょう。
まとめ
食中毒の予防には菌を付けない、菌を増やさない、菌を殺すというのが重要になります。十分に加熱して菌を殺す事や、食べ物は新鮮なうちに食べるなどの予防に心がけ、食中毒を起こさないように気を付けて下さい。
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