番組紹介

おかえりなさ〜い

おかえりホームドクター

糖尿病対策(1)

今日のドクター

福井県糖尿病対策推進会議幹事
番度行弘 先生

病気説明

糖尿病とは血糖値を下げる唯一のホルモン“インスリン”の働きが足りなくなり、正常では100前後に収まらなくてはならない血糖値が食後を中心に200以上になり続ける「慢性の高血糖病」です。
高血糖のままで放置しますと細い血管が知らない間にボロボロになり、神経や目、腎臓の合併症を引き起こし、最悪の場合には足の切断や失明、血液透析に至ります。
また、同時に動脈硬化も早いスピードで進み、心筋梗塞や脳梗塞の危険も2-3倍以上に増えてしまいます。
一方、メタボはお腹の中や肝臓に、いわゆる内臓脂肪が溜まりすぎた状態で高血圧や動脈硬化が進むだけでなく糖尿病にも大変なりやすい病態です。いずれにしましても糖尿病の管理がうまくいきませんと平均寿命が10年以上も短くなるばかりか、健康寿命はさらに短くなりますので、そうならないためにも日頃から食生活や運動に関して、しっかりと対策をとるようにしてください。

意外と知らない?対処法
体重の変化だけでは分からない場合があります
体の筋肉が減っている状態を『筋肉の減少(サルコペニア)』と呼びます。特に筋肉が減って、反対に脂肪が増加し筋肉の中にまで脂肪が入り込んだ状態のいわゆる『サルコペニア肥満』は一見して体形は変わりにくく、知らない間にメタボが進行してしまいます。
「サルコペニア肥満」になりますと、インスリンの働きを弱める脂肪が増え、反対にインスリンの効果を高める筋肉が減ってしまいますので、特に女性の方では高血圧になる危険性が2~3倍、糖尿病になる危険性も実に20倍近くになると言われています。
「サルコペニア肥満」を早期に発見するためには、体脂肪や筋力測定を定期的に行うことが大切です。体重の変化だけでは分からないサルコペニア肥満に十分気を付けてください。
有酸素運動と筋肉トレーニングが効果的です
以前から早歩きやジョキングなどの有酸素運動は内臓脂肪を燃焼し、メタボや糖尿病の予防に良いとされてきましたが、4年ほど前に、体脂肪を減らすには筋トレの方が効果的との発表がありました。この発表では糖尿病やメタボの方、約150名を歩行やジョキングなどの有酸素運動を行うグループと、ベンチプレスやレッグプレスなどの筋トレ運動を行うグループに分けて比較したところ、血糖値は有酸素運動グループでよく下がっていましたが、反対に体脂肪は筋トレグループでよく下がっていたと言うことです。
ただし、有酸素運動も筋トレも同時に行ったグループでは血糖値も体脂肪も共に良く下がっていましたので、結論として有酸素運動だけでなく、筋トレも加えると糖尿病やメタボの予防に最適ということになります。
まとめ
糖尿病は高血糖の状態が続き様々な合併症を引き起こしてしまう本当に怖い病気です。日頃の食生活の乱れや運動不足に十分注意し、しっかりと糖尿病を予防するように心がけてください。
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