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ピロリ菌が引き起こす病気について
2015.08.31(月)放送
今日のドクター

日本消化器病学会認定専門医
松永心祐先生
病気説明
ピロリ菌とは、1983年に発見された、胃の中にすみつく悪い細菌で、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になる菌です。
若い人での感染は少ないのですが、50代~60代の方の感染率は高く、世界的に見ても、約半数が感染していると言われており、世界最大の感染症と言われております。そのため、症状がない方でも感染していることが多く認められています。
意外と知らない?対処法
- ピロリ菌は胃がんと深い関係があります
- 実は、胃がん患者の99%の方が、ピロリ菌に感染している、もしくは、ピロリ菌の感染経験がある方ばかりです。ピロリ菌に感染した方の全てが胃がんになるわけではありませんが、ピロリ菌の感染を基に『がん』が発生すると考えられています。
ピロリ菌を『胃の中から追い出す』つまり『除菌』ができれば、早期胃がんの治療をした方では、再発率が3分の1になると言われておりますので、気になる場合は病院で検査を受けるようにしてください。
ピロリ菌の検査は胃カメラ以外にも、血液や尿、便や呼気を使って行う事ができ、除菌治療による胃がんの予防効果は若いほど良いとされていますので、早めにピロリ菌の検査を受けると良いでしょう。 - 除菌後も定期的な検査を受けましょう
- ピロリ菌を除菌しても、胃がんになるリスクがなくなったわけではありません。
お話ししましたように、胃がん患者の99%の方がピロリ菌の感染経験者ですから、ピロリ菌を除菌しても、定期的に胃カメラは受けたほうが良いでしょう。長い間、ピロリ菌の感染で慢性的な胃炎にありましたから、胃がんや他の病気を早く見つけるためにも、定期的な検診は大事です。
現在は、鼻から入れる胃カメラもあり、以前に比べ検査も楽になってきていますので、病気の早期発見や早期治療につなげるようにしてください。 - まとめ
- ピロリ菌に感染している方を若いうちに除菌できれば、胃がんの発症率が激減すると言われております。
ピロリ菌の除菌は保険適用になりました。ピロリ菌の検査をして、ピロリ菌がいれば除菌によって、胃がんを予防すると良いでしょう。
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