今月、東京・池袋で行われたキックボクシングの老舗団体「ニュージャパンキックボクシング連盟」のプロテスト。このテストに挑戦した坂井市出身の女性に密着しました。

彼女の名前は山岸愛子さん（３８）。ＪＢＣ（＝日本ボクシングコミッション）に認定された元プロボクサーで、ＫＯ勝ちも収めたことがある選手です。３年前にボクシングを引退。きっかけになったのはある試合でした。

連敗が続いた彼女は試合に先立ち、フィリンピンで高地合宿を行うなど万全の態勢で臨みました。しかし試合は完敗。一度勝ったことのある相手に敗れる屈辱でした。失意のままに一度はグローブを置いた彼女。ですが悶々とした思いは晴れないままでした。

そんな中で「ダイエットのために」と軽い気持ちで始めたキックボクシング。それでも練習を重ねるうちに、リングへの思いが再びこみ上げるのを感じました。「もう一度、試合をしたい。」山岸さんはプロテストを受ける決意をします。

現在３８歳。アスリートとして若いとは決していえません。現役時代の体力を取り戻すために行っている走り込み。仕事終わりに週５回。約８キロのランニングをしています。加えて欠かせないのが坂道ダッシュ。吸える酸素が少なくなるようマスクをつけて行います。

ボクシング時代は「負けられないと常に切羽詰まっていて、笑顔がなかった」と振り返る彼女。「キックボクシングは楽しもう」と心に決めます。

そんな中迎えたプロテスト本番。結果を大きく左右するスパーリングでは、去年プロテストに合格した１階級上の選手を相手に確実に攻撃を当てるなど結果は上出来。

そして３日後。彼女の元には合格通知のメールが。再びリングに上がるチャンスをつかんだ山岸さん。「年内には試合をしたい」と今後の目標を話してくれました。失意を乗り越え、再び戦う山岸さんの活躍に注目です。