奉行はタコについて>詳しい。冬になると福井県の海岸にはたくさんのタコがやってくる。別に遊びに来たり、観光に来るわけではい。タコたちは産卵のために浅瀬にやってくるのだ。そのメカニズムはいまだ明らかでないが、地元の漁師さんたちはこの時期にタコ漁をすれば確実に金になることを知っている。コレコソ知恵というものだ。特に福井市長橋町はスゴイ!

長橋漁港での語らい
<吊された水ダコ

越前海岸には様々なタコ捕り法があることを奉行は知っている。一般的なのは、手漕ぎの船を巧みに操り水中眼鏡でタコを見つけてヤスで刺す「磯見漁」。ユーモラスなのは、赤い布キレと魚の頭を長い竹竿の先につけて磯でタコの居そうなポイント前にちらつかせてタコを捕る「タコダマシ」。さらにビニール製の蟹に引っかけ用のカギのついた道具を海に投げ入れ引っ張って捕る「タコテンヤ」。さらに必殺「バケナワ漁」。今回の見廻り先長橋町はこのバケナワの里であった。バケナワとはすだれのようにぶらさがる糸の先に針とエサを付けて、通りすがりのタコをからめとるもの。一本の糸に一本のタコの足が引っかかったらおしまい、タコはがんじがらめになって身動きがとれなくなってしまう。言わばタコ漁の最終兵器!地元漁民たちはこの日も「ミズダコ」「マダコ」「カメダコ」の豊漁に湧いていた。(平成8年5月6日放送/ロケ地/福井市長橋町)