マナイタショーと聞いてあらぬことを考えるのは、相当の風俗通。越前若狭見廻り日記でマナイタショーと言えば、文字通り「まな板」を商いする専門の店のこと。福井市の足羽山の下あたりに「銀杏のまな板」だけを扱う店がある。
銀杏という木材は、年輪そのものと年輪と年輪の間の部分が同じような強度を持っているために、包丁を当てて使っていても段差が出来ない。ここのご主人はかつて漆器の木地でお盆などを扱っていたのだが、この木材の利点に気がつき、40年前にまな板に応用できないかを試行錯誤。東京の高島屋デパートで扱われるという栄誉に浴し、いつからか販売の炎に火がついた。まずはヒット!社長は銀杏材の奥に頻繁に見られるという細かい穴を外から見ただけでもたいてい明かすという、長年の経験で鍛えた眼力を持っていたため、他社の追随を許さなかった。そこにグルメブーム到来!カウンターに銀杏の大盤のまな板を起きたいというオシャレなお店も増え注文はさらに火がついた。

イチョウのマナ板はヒット商品
財テクを勧める主人
親父さんは、訪れた奉行に余裕で「銀杏に木には、男と女があるけどな、男はあかんな!固すぎる!まあ、百年経てば女と同じように使えるかもしれんけどな…!」とまずは蘊蓄(うんちく)を披露。奉行もタジタジ。この隙におじさんは一気に取っておきの秘密の財テクを教えた。それは銀杏材の植林事業。銀杏は百年で五百万で売れるばかりか、毎年ギンナンを山主にプレゼントしてくれる。さらに落葉樹の為に、杉の木のように枝に積もった雪の重みで折れることもないらしい!成功者の弁舌は説得力に満ちている。おじさんの話では、実際におじさんの話を聞いて、議会を動かし山に三千本の銀杏を植えた町長が実在するという。(平成9年1月20日放送/ロケ地/福井市)