私を覚えていてください 素敵な日本人へ
第二次世界大戦中、リトアニア日本領事代理だった杉原千畝は、人道的見地から本国の命令に背いて日本国通過ビザを発給し、ナチスの魔の手から6,000人ものユダヤ難民を救った。ユダヤ難民はシベリア鉄道でソ連を横断し、日本海を船で渡り福井県の敦賀港へ上陸。敦賀市民は彼らを温かく迎え入れた。「杉原サバイバー」と呼ばれるユダヤ難民は世界に散らばり、73年の時を経てその子孫は25万人となった。サバイバーの中にはその後、世界の政治・経済を動かす米国の大手先物取引所の名誉会長に就任したレオ・メラメド氏のような人物もいる。
70年もの年月は、直接関わった人たちに高齢化の波をもたらした。当時8歳だったメラメド氏も現在80歳を超え、他のサバイバーも多くは亡くなった。だが、杉原千畝と敦賀、日本の記憶は風化することなく、彼らの胸に深く刻まれている。
 番組は二つの物語で構成される。
(1)昨年73年ぶりに敦賀の港に立ったサバイバーのレオ・メラメド氏。彼の来日に密着し、幼い頃の記憶をたどりながらユダヤ難民の逃亡の軌跡を追う。
(2)ユダヤ難民が当時、逃亡を手助けした日本人男性に写真を贈っていた事実が発覚。写真の裏には「私を思い出して下さい。素敵な日本人へ」という感謝のメッセージが添えられていた。昨年ニューヨーク在住の女性が「写真の女性は母親だ」と名乗り出て、73年ぶりに身元が判明した。写真の女性は、ポーランド出身のソニア・リードさん。当時17歳で日本に逃げ延びてきたという。
 今は亡き母親の写真と対面した長女は、家族のルーツとなる過酷な「逃避行」の旅をどう受け止め、救いの手を差し伸べた名もなき日本人に何を思うのか?
ニューヨーク、ワシントンでの海外取材で新事実を発掘。メラメド氏以外にもサバイバーの貴重な証言を盛り込みながら、戦後70年の特別番組として、記憶に残すべき歴史的史実を伝える。
 
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