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2023年4月 福井テレビ番組審議会

<議題>
「タイムリーふくい」スペシャル
過失と危険 ~2020年女子大生死亡事故を追って~

放送/令和5年4月2日(日) 午前8時30分~9時00分

 

<審議概要>

*新年度最初の開催にあたり、互選により委員長に吉川委員、副委員長に旭委員が再任された。

*令和4年10月から令和5年3月までの放送番組について、番組種別の結果が報告された。

・最近、良いニュースよりも悪いニュースが多いこともあり「女子大生死亡事故を追って」というサブタイトルが重く感じた。
・過失と危険の差や司法の壁など考えさせられる部分が多く、声を上げて署名活動をすることが国を動かすことにつながるなど勉強させてもらった。
・タイトルを見て当時の事故を思い出し、重いと感じた。
・再現イメージを取り入れるなどリアリティがあって分かりやすかったが、スーパー等での説明はあるものの、法律用語が難解で理解しづらかった。
・結論がどうなるのか期待をもって見たが、30分という番組時間の制約もあり、結論がはっきりせず後味の悪さが残った。
・理屈だけで追うと考え過ぎになってしまうところ、ディレクターの腑に落ちないという「物わかりの悪さ」で番組を作り切ったのは素晴らしい。
・両論併記し判断を視聴者に委ねれば波風は立たないが見ていてもつまらないので、そのあたりは苦労したのではないか。
・適用数などのデータを見せてもらえると良かったし、更に踏み込んで政府や行政に当てて欲しかった。
・危険運転致死傷罪の立証が非常に困難であること、法律家と一般の感覚のズレについての問題点を提起しており、見応えのある30分だった。
・今を伝える「タイムリーふくい」という枠で、なぜ今このテーマをドキュメンタリー的に扱ったのか。
・今回の事故は「アルコールまたは薬物の影響による走行」にあたらなかったのかフォローしてもらえると分かりやすかった。
・結論を出す番組ではないと思うし、30分番組として良くできており、制作側の意図が伝わってきた。
・この重い内容を「タイムリーふくい」の枠、しかもコロナも落ち着いてきて新生活をスタートするタイミングでやる必要があったか。
・番組の最後に、放送日の前日が被害者の方の誕生日だったというナレーションがあり、このタイミングで放送した意味が理解できた。
・原渕アナのナレーション、音楽の選択が良かった。
・視聴者の気持ちを乗せてくれたおかげで、冒頭から感情を共有できる作りだったが、問題を投げかける前に終わってしまった印象。
・例えば視聴者からの意見を募集するなど、視聴者が番組を見て能動的にアクションできる部分があればよかった。
・被害者側の声が国会審議につながっていくことの大切さ、ディレクターが遺族の感情に沿って突き進んだメッセージ性の高い番組だった。
・重罰化が進んでいるプロセスを飛ばして、司法の考え方の遷移についてはあまり触れられておらず、一方的な印象を受けた。
・熱心な遺族の方の署名運動で立法が動くことがある反面、泣き寝入りしている例もあるかと思うと辛い気持ちになった。
・危険運転致死傷罪まで行くと裁判員裁判になるなど、交通事故がどの様な流れで判決まで進むのかも扱うと分かりやすかった。この事件については放送の前にニュース等でも取り上げられていたが、全国での事例の紹介、法律改正の経緯、専門家の意見を交えて掘り下げるなど、この事件の持つ問題点を視聴者に訴えることで社会的正義の追求、安全意識の促進を果たしたという点はテレビ局の取り組みとして評価できる。
・刑事事件の構造や進め方は大変複雑であるため、冒頭で流れが簡潔に分かる説明があると良かった。
・福井では市民の署名運動などの動きはなかったのか知りたかった。
・納得できないという熱や執念が込められた番組だった。
・法律を改正せずに運用でという意見もあったが、危険な考え方なので冷静に伝えて欲しかった。
・番組の中で「故意の立証が難しい」との問題提起があったが、正確には主観面の話ではなく客観的な「構成要件に該当するかの立証が難しい」ということなので正確に伝えて欲しい。

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