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「冤罪という罪があった」殺人罪で服役の前川彰司さん 無罪訴え歩み続けた“やり直し裁判”までの日々に密着 【福井】
39年前に福井市内で起きた女子中学生殺人事件で、殺人の罪で懲役7年の刑が確定し服役した前川彰司さん。逮捕直後から一貫して無罪を訴えてきた前川さんのやり直しの裁判、再審が3月6日に名古屋高裁金沢支部で行われました。
2024年10月の再審開始決定後、前川さんは初公判までの約5カ月をどのように過ごしてきたのか、密着取材しました。
名古屋高裁金沢支部は2024年10月23日、39年前に起きた福井女子中学生殺人事件で殺人の罪で逮捕され7年間服役した前川彰司さんについて、やり直しの裁判、再審の開始決定を下しました。
2024年12月3日。福井市内にあるカトリック福井教会に前川さんの姿がありました。前川さんは21歳からキリスト教を信仰していて、礼拝が行われている日は欠かさず、この教会を訪れています。「本格的に神という存在を意識し始めたのが21歳、事件のあった年です。薬物依存が止まらなくて、東京の施設へ入ったのだけど、その施設に入ったのはやっぱり本格的な神との出会いやったかな」以来、教会に通うのは前川さんとって大事な日課です。
この日は誰よりも早く訪れ、礼拝を行う前に椅子の並びを整えたりストーブに給油をしたりと、自主的に取り組ます。
2024年12月24日にはキリスト教の祭典『クリスマスイブ・ミサ』が行われました。イエス・キリストの誕生を祝うこの日はキリスト教の信者にとってとても大切な日で、多くの信者が訪れました。
前川さんはこの日も率先して駐車場の整理を行い、教会のために働きます。「今回、再審の扉が開いたことに関して言えば、神様に義理がある。神様の摂理がなければ難しかった」と考えています。
年が明け、前川さんは市内の護国神社へ初詣に。おみくじは「大吉」でした。「願い事『あなたの御旨が行われますように』。これはアーメンということです。天の御旨が、神様の真意がおこなわれますようにと」。そう言いうと「勝負事、神に祈れ、勝つ、ということで祈りの力は大切」とほほ笑みます。
再審公判まで約1カ月となった2025年2月10日、前川さんは福井地方裁判所の前で再審に向けて自身の無罪を訴えました。「福井事件は、無力な私が、3月に再審が開かれる再審裁判を戦おうとしています。私はやってはいません。これは証拠上、明らかです」
そして、迎えた3月6日の再審初公判。「今朝はいつも通り変りなく、起きて教会行って―。再審初公判の日を迎えるにあたっての心境としては、何も変わるものはない。淡々としている」と前川さん。
裁判所の周辺には、多くの支援者や報道陣らが集まりました。大勢の人を前に前川さんは「福井事件という十字架を背負うにあたり、自分には“冤罪という罪があった”ということを告白します。と同時に、そんな私に寄り添ってくれた皆様に感謝の意を伝えたいと思います」という言葉を残し、弁護団とともに裁判所へと入っていきました。
午後2時から始まった再審初公判では、検察と弁護団の弁論の他に、前川さんの意見陳述も行われました。
公判後には記者会見が開かれ、前川さん自身も報道陣の質問に答えました。
Q.意見陳述で一番訴えたかったのはー
「福井事件は犯罪に証明がない。事実無根であると私は無実を主張し、無罪を求める」
「やはり憤りや腹立たしさは当然ある。初めから検察の判断が間違っていた。警察や検察がウソを見抜けなかったところに、そもそもの原因があったのではないか」
再審公判は、この日一日で結審。残すは、判決を待つのみとなりました。
3月20日の春分の日、彼岸の中日です。前川さんはお墓参りに訪れていました。「いい結果は得られそう、ということはちょっと心の中で思いました」と静かに墓前で手を合わせます。「正しく、正直に生きている人にはやっぱり神仏の加護っていうのは、きっとあるでしょうし。僕はそれを信じてますんで」。
裁判官は、どんな判決を下すのか。判決の言い渡しは7月18日です。
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