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「大事な娘をこんな目に…」被害女児の父親が心境を吐露 校内で強制わいせつの60歳教諭 名古屋高裁金沢支部が控訴棄却し「懲役1年2カ月」の一審判決を支持【福井】
自らが勤務する坂井市内の小学校で女子児童の体を触ったとして強制わいせつの罪に問われた60歳の教諭の男の裁判で、名古屋高裁金沢支部は7日、控訴を棄却し、一審の福井地裁が言い渡した懲役1年2カ月の判決を支持しました。
強制わいせつの罪に問われたのは、福井市木田3丁目の教諭・見附史教被告(60)です。
判決文によりますと、見附被告は2023年1月から5月にかけて勤務先の坂井市内の小学校で、1人の女子児童に対して服の上から胸や下腹部を触るわいせつな行為をしたということです。
見附被告は一貫して無罪を主張し、2024年6月、一審の福井地裁で懲役1年2カ月の実刑判決を受けましたが、これを不服として即日控訴していました。
7日の裁判で名古屋高裁金沢支部の山田耕司裁判長は「被告人は教師という立場を悪用してあるまじきわいせつ行為に及んだものであり、下劣で醜悪な犯行は厳しく非難されるべき。教育現場での性犯罪は強度の被害というべきであり、量刑不当の主張も理由がない」などとして控訴を棄却。懲役1年2カ月とした一審の判決を支持しました。
弁護人は「上告するかは本人と話し合って決める」としています。
一審から全ての裁判を傍聴した被害児童の父親は「ひとまず安心はしたが、もしかしたら控訴するのではという不安がある。本人を目の前にすると怒りがこみ上げてくる。大事な娘をこんな目にあわせて、というのが本音」と胸の内を語りました。
県教委によりますと、教職員による児童・生徒への性犯罪が起きた場合、学校から警察に相談し、合わせて各市町の教育委員会に報告。県立学校は県教委に報告します。最終的には市町教育委員会からも県教委に一報が入るという流れになっています。
ただ、犯罪の噂があるだけでは調査に踏み込んだり教育委員会への報告に至ることが難しいといいます。
県教委教職員課の遠藤正宏課長は「噂というだけで調査することはなかなかに難しい。調査をしたことにより当事者が証拠隠滅に走ることがあれば困るし、噂をした人たちについて、色々な被害が起こるのも困る。噂レベルの話で動くことは難しいと考えている」と主張します。
一審、福井地裁の裁判で検察は、見附被告は2008年に勤務していた福井市内の小学校で、女子児童のスカートの中や胸元を盗撮したと複数の保護者から指摘を受けたことを明らかにし、この時、被告は自宅待機処分を受けました。
さらに検察の指摘では、見附被告が処分を受けた後の2016年、2017年、2022年にも勤務先の小学校内で児童の体を触ったとして管理職から再三注意を受けていたことがわかっています。
坂井市教委によりますと、管理職から指導があった場合は市教委にも連絡をすることになっていますが「当時の対応は記録が残っておらず担当者も代わっているため、わからない」といいます。
今回事件が明るみに出たのは、1人の児童が被害を訴えたことがきっかけです。度々わいせつと疑われる行為が繰り返されてきましたが、ようやく警察への相談や学校での聞き取り調査が行われました。
今回の事件では、最終的に被害を訴えた児童数は11人にのぼります。
県教委は「本人への聞き取りができていない状況で、聞き取りをしようとしているが、裁判に影響があるためということで拒否をされている」とし、調査を行うことができず司法の動きをみるしかないとしています。
一方、見附被告の異動に伴う情報の引き継ぎ方について県教委は、2023年までは調査や犯罪の事実について記録に残すことなく「市町の教育委員会同士で口頭のみで引き継いでいた」といいます。
そのうえで「今回の事案を受けて、客観的な事実がしっかり認められたものについては確実に記録に残していき、それをきちんと次の学校に伝えていく。確実に文書という形で伝えることにしている」としています。
7日の判決を受けて県教委は「厳正に対処するとともに、再発防止に向けより一層、服務規律の確保に努める」としています。
見附被告が上告せず有罪判決が確定すれば、地方公務員法により失職します。
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