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「福井アリーナ」利益は年間2億8000万を想定 開業後30年で銀行など借り入れ分の65億円を返済へ 福井商工会議所が事業計画発表
福井市の中心部で建設が予定されている福井アリーナについて、計画を進める福井商工会議所が19日、事業計画を発表しました。当初の計画から事業費は2度上振れし、示された最終的な額は150億円で着地。約3年後の2028年秋の完成を目指すとしました。今後、建設に向けた県議会や福井市議会での議論が本格化します。
19日は、福井アリーナの事業計画をまとめてきた福井商工会議所の八木誠一郎会頭らが会見に臨みました。
福井商工会議所・八木誠一郎会頭:
「県都のにぎわいを創設するとともに、若い人たちを中心に福井に誇りと夢をもたらし、人口減少でも明るい未来が展望できる可能性が高いと考えている」

19日に示された計画では、事業費の総額は当初の計画の約2倍となる150億円に膨らみ、財源は国や県、福井市の支援が60億円、残り90億円は融資や寄付など民間で調達するとしました。
◆年間7億円の収入を見込む
アリーナの運営については、福井市のIT企業・オールコネクトの子会社が担い、プロスポーツの試合やコンサートなどの開催による利用料収入を柱に、年間7億円の収入を見込んでいます。そして、この運営会社が、福井商工会議所が新たに設立するアリーナの整備・所有会社にリース料を支払うことも発表されました。
◆開業後30年かけて借り入れを返済

こうした枠組みで年間約2億8000万円の利益を生み出し、開業後約30年かけて、民間調達分の90億円のうち、寄附などの25億円を除いて、銀行などからの借り入れ分65億円を返済するとしました。
建設費の上振れなどで2度にわたる計画見直しを余儀なくされたことについて福井商工会議所は「基本計画から事業計画ということで(これ以上の)大幅な見直しはない」としました。
計画では、2026年1月頃から設計などを始め、2028年秋頃の完成を目指すとしています。
◆公共交通を利用する“歩いて行くアリーナ”を想定

改めて、福井アリーナの計画内容を項目ごとに確認します。
【施設概要】
延べ床面積:約1万3000平方メートル(従来の計画より1000平方メートル拡大)
観客席:5000席
観客席数は、プロバスケットボールチーム「福井ブローウィンズ」が最高カテゴリーに昇格した際に必要となる基準に合わせたものです。

駐車場は大きく設けず、“歩いて行くアリーナ”として公共交通機関での来場を想定しています。
今回の計画では、地域住民が懸念している防音や渋滞の対策を強化したということですが、地元はどう受け止めているのかを聞きました。
アリーナ建設予定地の豊島2丁目地区の岡孝敏区長は「多くの人が訪れるので防犯上の問題がある。近くの人は(交通渋滞や防犯対策などの)条件がクリアされれば納得するのではないか」と話します。
しかし、現状でこれらの問題がクリアされているかについては「まだ、クリアされていない」(区長)ということです。
◆ネーミングライツの収入も見込む

【事業費】
総事業費:150億円(最大160億円とし、さらなる上振れの含み残す)
内訳は、国・県・福井市の支援が60億円で、残りの90億円は民間が調達します。
【完成後の収支計画】
プロスポーツやコンサート、セミナーなどで年間300日近い利用を想定し、その利用料などで年間約7億2000万円の収入を見込んでいます。また、これらとは別に「ネーミングライツ」による収入も見込む計画です。

支出を差し引いた利益分を、金融機関からの借り入れや交付金の返済に充てる計画で、30年間で完済するとしています。
福井市議会では22日にアリーナを議題とする特別委員会が開催されます。また、9月には市議会や県議会が始まり、今回の計画の実効性について議論が進む見通しです。
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