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“なり手不足”の自動車整備士 「“3K”の仕事は減ってきている」EVやハイブリッド車の普及で仕事内容はガラッと変化 イメージアップ図る企業の取り組み 福井

2025.12.09 19:00

車社会の福井ですが、それを支える自動車整備士の担い手が、将来的に足りなくなる恐れがあります。整備士資格の受験者数が、全国で過去最低を記録しています。整備士不足の背景と、その課題に向き合う事業者を取材しました。

 

巣守雅彦氏

 

「車に興味を持たなくなった子が多いんですよね。僕らの若い頃は、車をどうこうしたいという思いがあったが、今の子供たちは、車は動けばいいと思っている」
  
こう話すのは、県自動車整備振興会・県自動車整備商工組合の巣守雅彦専務理事です。
  
全国の自動車の整備士資格の受験者数は2024年度に過去最低を記録。県内でも、同様に減少しています。しかし、慢性的に人手不足の現場では、若い世代を求める声が多いといいます。
  
巣守専務理事は「車が電気化していく流れの中で、スマホやパソコンを使わないといけないので、若い柔軟な人材が必要になってきている」と話します。

 

おしゃれにリニューアルした店内

 

こうした中、自動車整備士の採用がうまくいっている会社があります。福井市板垣で車の販売や整備を手掛ける「アップベース」です。
   
整備士が2~3人規模の事業所が多いと言われる中、20代の若手を含め7人もの整備士が働いています。
   
1964年(昭和34年)に創業したこの会社で2代目の社長を務めるのは、上口浩史さんです。3年前にリニューアルした店舗は、お洒落な外観で明るく親しみやすい内装に。改装した背景には、整備士の採用を強化したいという狙いもありました。
    
「会社のブランド化として、社名をリフレッシュしたり建物をリフォームしたり、いろんなイベントをしたり。会社の魅力を上げることで、新しい人たちがきてくれているのかなと思う」(上口社長) 

 

ロゴ入りのユニフォーム

 

整備士の仕事にある3K(きつい、汚い、危険)といったイメージを払拭したいという思いもあり、店の名前のロゴもトレンド感のあるデザインに。休憩室を整備し、社名のロゴが入ったお洒落なユニフォームも作りました。
   
アップベースで働く整備士は「有休がとりやすい。他の同僚が育児休暇をしっかり取れているのを見ると、働きやすい職場だなと思う」と職場の印象を語ります。
   
整備士の志望者が減ってきていることについては「きついというイメージが先行しているのかなと思う。電気自動車やハイブリッド車はパソコン診断・点検することが多いので、意外と3Kといわれる仕事は減ってきている」と話します。

 

子供向けイベントも開催

 

アップベースでは、整備士という仕事を知ってもらおうと子供向けの体験イベントにも取り組み始めました。夏祭りなどのイベントを開き、地域との交流機会も積極的に増やしています。
   
商圏は、車で10分。地域に根差した経営を続けることで顧客から整備士を紹介してもらえることもありました。
    
将来の整備士のなり手を増やすために必要なことについて上口社長は「やっぱり車を好きになってもらうのと、賃金を上げていくこと。加えて、社会のためになっているという訴求」とします。
   
社会に欠かせない責任ある仕事。その魅力を伝え、働く価値を実感してもらうこと。それが、次の担い手を育てる大きな一歩となりそうです。

 

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