ニュース
県内のニュース
もち米の仕入れ値が2.5倍 創業164年の餅店も苦慮「本来はもう少し価格を上げないと…」 コメ高値が及ぼす“お正月”への影響
依然としてコメの高値が続く中、正月には欠かせない餅にも影響が出ています。価格高騰に苦しむ県内の餅店を取材しました。
<街の声>
「正月はやっぱり雑煮。すきやわ~」
「餅は絶対に食べる。やっぱりお雑煮は必須」
「いつも頼んでいる餅の値段が倍で高くて(びっくりした)」
お正月に欠かせない餅ですが、近年のコメの価格高騰がもち米にも大きな影響を及ぼしています。
福井市にある創業164年の老舗「餅の田中屋」を取材しました。
この店では現在も正月用の餅の注文を受け付けていて、製造がピークを迎える28日頃からは、1日に約1万個を作るといいます。
しかし、田中秀信社長は「仕入れ値が3年前の約2.5倍近くに上がっている」と、ここ数年続くもち米の価格の急上昇に頭を痛めています。
田中社長によりますと、もち米の仕入れ値は3年前は1キロ400円でしたが、今年は1キロ1000円ほど。これだけの高値は経験したことがないといいます。
鏡餅1升1重の販売価格は、おととしは2500円、去年は3000円、今年は3750円と年々値上げしなければいけない状況です。
田中社長「商品の質は落としたくないので、お客様にはご迷惑をかけるが、値段は早めに上げさせてもらっている。12月に入ってから値上げをしたら、お客様は11月は安かったのに何で高くなったのとなるだろうし」と苦しい心情を話します。
もち米の取引価格は、主食用米の後の11月に決まるため、例年どうしても餅の需要が高まる年末年始になって値上げせざるを得ないのが実情です。
ただ、田中社長は日本伝統の食文化を守るためにも、値上げの幅を抑えていると打ち明けます。「本来であれば価格をもうちょっと上げないといけないが、あまり上げすぎても買い控えで手に取ってもらえなくなると思うので、値上げはぎりぎりのところにしている」
おととしから去年にかけての値上げについては、実際は大きな影響はなかったそうですが「更に値上げした今年は、どうなるか分からない…」と心配しています。
正月に欠かせない「餅」。今年の価格は消費者に受け入れられるのでしょうか。
一緒に読まれている記事
-
JA越前たけふコシヒカリの内金を3000円追加払い 60キロ当たり3万2000円に JA福井県も1500円を追加払い
-
全国一斉に「年賀状」引き受けスタート 馬の形のポストに園児が家族宛ての年賀状を投函 福井南郵便局
-
配る?配らない?「おこめ券」 高市政権の物価高対策に「発行や郵送に手間がかかる」 自治体から上がる反発の声 福井
-
小さな巾着型が人気 細巾織物の「お守り袋」生産ピーク 月に10万個、100種類以上を全国の神社や寺へ 福井・坂井市
-
餅の消費量が全国トップクラス 福井の餅グルメを食べ比べできるイベント ハピテラスで開催
-
JA福井県の新米の販売量が激減…去年の半分に 在庫を抱える卸業者が新米を“買い控え” 「好ましい状況ではない」
-
坂井市内17の農家が新米を直接販売 関東150店展開の食品スーパー「ベルク」に玄米414トン 東尋坊をプリントした名称「崖っぷち米」5キロ税抜き4390円で販売へ
-
コメ高値水準にJA福井県「消費者の購買行動の変化に注目」 猛暑による収穫量への影響「大きくはなし」とするも…コシヒカリの品質面に懸念示す
-
福井県産の新米“購入支援”へ 65歳以上の世帯に“お米券”5000円分 福井市が3万1000世帯分、1億5000万円を9月補正予算に計上
-
10キロで8000円…新米が出回り始めても下がらないコメ価格 “奪い合い”による高値での取引を背景に「流通量が増えても価格が下がることはなさそう」 【福井】
- 広告


