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パタカラ体操で“食べる力”を強化 高齢者肺炎の7割を占める誤嚥性肺炎 “いつもと違う”家族の気付きが早期発見に
高齢者のイメージが強い誤嚥性肺炎ですが、口の中の細菌が多いと発症のリスクが高まる可能性があります。注意点や予防法を歯科医に聞きました。

高齢者の肺炎の7割以上を占める誤嚥性肺炎。県歯科医師会の畑陽子理事は「食べ物や飲み物が口の中の細菌と一緒に気管を通り肺に入ることで、肺で細菌が増殖して炎症を起こす」とそのメカニズムを説明します。
本来、食べ物は食道を通って胃に送られますが、誤って気管から肺に入り込み、細菌が繁殖して炎症を起こします。
誤嚥性肺炎になりやすいのは、次のような人です。
1.飲み込む力や吐き出す力が弱くなった高齢者。
2.脳梗塞などにかかったことのある人(喉の筋肉のコントロールが難しくなる)
3.食べ物を認識することが難しい認知症の人
4.口の中が清潔でない人(口内の細菌量が増えリスクが高まる)
5.寝たきりの人(胃液が逆流しやくなる)

誤嚥性肺炎の主な症状は、発熱、痰を伴う咳などですが、本人が気づかないことや症状が出にくい場合もあり、発見の遅れにつながる場合があります。
畑理事は「本人は大丈夫だと言っていても、家族だからこそわかる、ほんの少しの変化に気付くことで、一歩手前で止めてあげることができる」と家族や周りの人の“気づき”が早期発見の鍵だと強調します。
「激しい咳や高熱が出ない場合もあるので“いつもと違う”という直感が大事。呼吸が苦しそうだったり、ゼイゼイしていたり、顔色が悪い、ぐったりしていて水分が摂れない。微熱が数日続くなどの症状があった場合は早めに内科や呼吸器内科を受診してほしい」(畑理事)

日常生活での注意点について畑理事は「口腔ケアの徹底。歯磨きだけでなく、舌や入れ歯も清潔にして細菌量を減らすことが大切」とします。
そして、食事の工夫も重要です。
「食べ物や水分にとろみをつける。飲み込む力が弱くなった人に水分だとスピードについていけないことがあるので、少しとろみをつけてスピードを落としてあげる。その人の噛む能力に応じて、食材の大きさ、硬さを調整することが必要」(畑理事)
さらに、食事をする際は▼体幹をしっかりと安定させるために床にかかとをつけ、足裏をしっかりつける▼食べるときはなるべく顎をひく▼食後30分から1時間は体を横にせず、体を起こしておく、といったことも重要だといいます。

日常生活の中で誤嚥性肺炎を予防するため、畑理事に口のトレーニング「パタカラ体操」を教えてもらいました。
▼まずは「パ」
大きく破裂するように発音し、唇を開閉する力を強くします。
▼続いて「タ」
強く続けて発音し、舌先の力を強くします。
▼そして「カ」
舌の根元を喉に押し付けるように発音し、舌の奥の力を強くします。
▼最後に「ラ」
舌をしっかりと巻いて発音し、舌を巻く力を強くします。
この「パタカラ体操」は食事の前の準備体操です。食事を飲みこむ際の、舌のポジションを表しています。
それぞれの文字をはっきりと10回ずつ、食事に合わせて1日3回、なるべく食前に続けましょう。

畑理事は「できるだけ自分の頭で考えたことが行動でき、自分の足で好きなところに行き、最後のその日まで自分の好きなものを食べる方が幸せかなと思う。自分の介護を家族の人生に組み込まないためにも、早く発見して健康に戻すことが、生きるための予防につながる」と呼びかけます。
誤嚥性肺炎は年間を通して起こりますが、特に冬場は空気が乾燥して喉の粘膜が弱まることやインフルエンザなどの感染症で体力が落ちやすいことなどから、発症リスクが高まります。日頃のお口のケアで予防しましょう。
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