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勝山市平泉寺に「泊まれる保育園」 閉園後の園舎をそのまま活用し農家がオープン 玄米と精米機、炊飯器の“おもてなし”も

2026.07.14 18:30

保育園としての役目を終え、現在は地元の農家が営むパン店が人気を集める旧平泉寺保育園で、7月から宿泊施設としての活用が始まりました。その名も「泊まれる保育園」。人口が減り続ける中、一見すると集客が難しそうな地域で宿泊施設をオープンした狙いと効果を取材しました。

 

園舎を活用した「滝本ふぁーむ」のパン店

 

丘の上に佇む黄色い建物は、2024年3月に閉園した勝山市の旧平泉寺保育園です。現在は、建物を譲り受けた地元の農家「滝本ふぁーむ」がパン店を営んでいます。
  
こだわりは国産小麦と地元の野菜を使った調理パン。
 
店を開ける土曜日から月曜日は、近所の常連客だけでなく評判を聞きつけた県外からの観光客らでにぎわいます。

 

勝山市平泉寺地区の人口推移

 

このパン店に続いて「滝本ふぁーむ」が今回、建物を改装してオープンしたのが民宿「TOMAHOI(トマホイ)」です。
  
かつて旅行会社に勤めていた経験もある滝本和子代表は「3年越しにやっと叶います。めちゃくちゃ嬉しいです」と意気込みます。「県外や外国から人が来てくれたら多くの人たちと出会えるし、若者たちがこの田舎にいる理由を作りたい」
  
地方に押し寄せる人口減少の波は、この平泉寺地区も例外ではありません。2017年に1000人以上いた人口は、10年も経たずして800人を切りました。
  
自らもこの地で母として4人の子を育ててきた滝本さん。子供が生まれ育ったこの地区に雇用や居場所を作りたいと、人口減少という大きな課題を自分事としてとらえています。
   
滝本代表は「この子たちがどこかに行くのではなく、ここにいたい、ここが楽しいって思える平泉寺にしたい」という思いで作ったのが「泊まれる保育園」。その名前の通り、保育園時代に使われていた扉などをそのまま活用し、懐かしさや思い出に浸りながら宿泊することができます。

 

ほっと落ち着く空間

 

中でも「つくしぐみ」と書かれた部屋には、農家ならではのおもてなしも。コメと精米機、そして炊飯器が用意されています。
  
「実はうちのコメは10年先まで予約で完売していて、決まった業者さんにしか販売してない。でも『つくしぐみ』に泊まったお客さんには特別にうちの玄米を置いておくので、自分で分付きを楽しんで炊飯して食べて欲しい」(滝本代表)
  
宿泊者には人気のパンを使った朝食も付いてきます。“田舎”という立地を逆手にとって、和子さんがターゲットとするのは県外の団体客です。
  
「合宿や、サイクリストたちが山登りの途中で来てくれたり、たくさん山を走れるので、ランナーが練習のために来てもらっても面白いと思う。それに、一晩中、太鼓を叩いても三味線を鳴らしてもカラオケを歌っても文句を言われるような場所ではないので、思う存分、楽しめます」
  
7月1日にオープンしてからさっそく、東京の中学校から教育旅行を受け入れたという「泊まれる保育園」。若者が地域にとどまる理由となるのか。県の内外をつなぐ架け橋となるのか。半世紀以上、平泉寺でコメ作りを続けてきた農家の挑戦が続きます。
  
<泊まれる保育園> 
・全3部屋
・1部屋あたり1泊3万円から6万円(6人まで宿泊可)

 

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