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存続危機だった“敦賀の屋台ラーメン” 保健所の機転で「露店」として営業継続 74歳店主がふるまう自慢の一杯【福井】
敦賀市の名物、屋台ラーメン。近年、食品の衛生基準が厳しくなったことを受けて、30年以上続く人気店がやむなく閉店を考えていました。そうした中、市の保健所が店主にある提案をしたことで、営業を継続できることになりました。“敦賀の屋台ラーメン文化を守ろう”という地元の思いを取材しました。
◆食品衛生法の改正で営業継続が困難に

「減ったら足して減ったら足してがんがん炊いていく」夜の営業に向けスープの仕込みに余念がない、権八敏一さん(74)。
敦賀市本町の国道8号沿いで30年以上営業している老舗屋台ラーメン「池田屋ごんちゃん」の主人です。
権八さんがつくるラーメンは、醤油ベースに豚骨と鶏ガラをあわせたWスープ。あっさりとした口あたりの中にもしっかりしたコクがあり、市内はもとより遠方からもこの味を求めて客が訪れるほどの人気です。
「めちゃくちゃおいしいです」
「毎週来ている、仕事終わりに。素朴というか…昔ながらの味」
「地元の味だと思って堪能している」

長年、多くの人に愛されるごんちゃんのラーメン。実は、存続の危機に陥っていました。
ごんちゃんは、キッチンが積まれたトラックの荷台の前に立ち、客席と同じ側に立って調理する独特のスタイル。この調理スタイルが、2021年に改正された食品衛生法に触れました。
法改正により、車で飲食店を営業する場合は荷台の中での調理が必要となり、営業継続が困難となったのです。キッチンカーを導入すれば基準は満たせますが、数百万円の費用がかかり、74歳の権八さんには現実的ではなかったといいます。ただ、客からは継続を切望する声が。「できなくなるのかって電話かかってくるし、知っている客が来たら、やめるのかって聞かれていた」
◆“観光名物”として行政も屋台ラーメンの継続をバックアップ

長年愛されてきたのは、味はもちろん“屋台のごんちゃんラーメン”だからこその魅力があるから。権八さんは、なんとか今のスタイルで営業が継続できないかと保健所に相談しました。
すると、敦賀の屋台ラーメンの文化を絶やすまいと、保健所も営業の継続策を模索。営業許可の形態を「自動車による調理販売」から「露店」での申請に切り替えることを提案してくれたと言います。
池田屋ごんちゃん・権八敏一さん:
「屋台を継続したいということを保健所の人が分かってくれて、どうしようかと相談したら、露店商なら何とか(許可を)下ろせるんじゃないかという案を出してくれたんやと思う。継続に向けて保健所が動いてくれたことはありがたい」
さらに、調理場の周りには仕切りを設置。厨房と客席を分けることで6月末、正式に許可が下りました。
敦賀の屋台ラーメンには70年以上の歴史があり、全盛期の1960年代には本町商店街がある国道8号沿いに15店舗ほどが並んでいました。ただ近年は、店主の高齢化や新型コロナの影響でその数は4店舗にまで減少。屋台ラーメンは敦賀の観光名物の一つでもあり、市もまちづくり会社と連携した支援策を模索しています。
◆“屋台トラック”で露店として営業継続へ

営業形態は「露店」に変わりましたが、これまで見慣れてきた“ごんちゃんのラーメンの屋台トラック”は健在です。
ごんちゃんラーメンのファンは―
「子供らもみんな好きなんで、うれしいです」
「屋台の文化は敦賀にとって重要。残って嬉しい」

客の笑顔に支えられ、権八さんは「あとどれだけできるか分からないけど…体が続く限りやりたい。昔からの中華そばを食べてほしい」と背筋を伸ばします。後継者の育成も考えている権八さん。
敦賀名物・屋台ラーメンをこれからもずっとー
そんな思いを抱えて、きょうも自慢の一杯をふるまいます。
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