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幕末の藩士「橋本左内」の直筆の手紙をデータ化 インターネットで閲覧可能に クラウドファンディングで資金募り実現【福井】
幕末の日本に影響を与えた橋本左内の直筆の手紙などの史料が、11日からデータで公開されました。インターネット上で誰でもいつでも見ることができ、教育や研究への活用が期待されます。
福井市立郷土歴史博物館では、橋本左内が福井藩の改革や幕府の将軍の後継ぎ問題に関わっていた時代の直筆の手紙を保管しています。左内がこの世を去った30年ほど後に、左内の弟・橋本綱常が整理したもので幕末の状況をリアルに伝えています。
郷土歴史博物館では「江戸時代の秩序が崩れる足音がし出した時代。才能を発揮する人材を育てることが必要ならば、全く新しい発想を持った新しい人材を積極的に福井藩が育成していくべきだ(と書いている)10年先をいく発想だったのでは」と話します。
こうした手紙など86通の画像データが、11日から県のアーカイブシステム「デジタルアーカイブ福井」で公開されました。
例えば、1856年4月に福井藩士・中根雪江に宛てた手紙は、しっかりと「橋本左内」の署名が読み取れます。画像はズームやスクロールが自由にでき、筆跡まで詳細に確認することができます。
郷土歴史博物館は「筆跡から伺える左内の心意気や勢いを感じてほしい」と話しています。
実はこの取り組みは、博物館が2023年に行ったクラウドファンディングによって実現しました。県の内外から目標を70万円上回る920万円余りの寄付金が集まったそうです。「学校教育の現場や歴史学を研究する人が利用することで、橋本左内という歴史的な個性・人物像を掘り下げ、より全国の人々に普及していく環境が整った」といいます。
公開されたデータは自由に閲覧可能で、今後、国立国会図書館など全国規模のアーカイブシステムからの検索も可能となる予定です。画像の閲覧は自由ですが、「二次利用」には申請が必要です。第2弾も計画されていて、左内が藩の内外の同士や友人から受け取った手紙を画像データ化する予定です。
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