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患者数が全国的に増加 マダニが媒介する感染症に注意 ズボンの裾は靴下に!対策と危険性を医師が解説

2026.09.14 20:38

秋の行楽シーズンに注意が必要な「マダニ媒介感染症」。9月に入り、福井県内でも感染者が確認されました。発症の原因や対策について医師に聞きました。

 

◆年間500人が発症する日本紅斑熱

 

「ちょっと変やな…と感じたけど、そのままお仕事続けていたら、だんだん夕方になって苦しくなってきた」
  
こう語るのは、9月4日に県内で今年初めて「日本紅斑熱」と診断された70代の女性です。
  
日本紅斑熱は病原体を持ったマダニに刺されることで発症するマダニ媒介感染症の一つで、発熱や全身に広がる発疹、刺された部分に残るかさぶた状の跡が主な特徴です。国内で年間500人前後の患者が報告されています。

 

◆山のなかだけではない…マダニに刺されるリスク

 

そもそもマダニとは、マダニ科に含まれるダニの総称で、国内には50種類以上が生息しています。
    
家庭でよく見られるダニよりも大きく、体長は5ミリ前後。山の中や、やぶだけでなく、草むらなど私たちの生活圏近くにも生息しています。
   
そのマダニのうち、病原体を持つ個体に刺されたときに発症する恐れがあるのが、マダニ媒介感染症です。
  
国内でもこれまでにさまざまなマダニ媒介感染症が確認されていて、原因となるウイルスや細菌の違いによって症状が異なります。
   
福井大学附属病院の酒巻一平医師は「生息しているのが山ややぶの中。そこに入ったときにダニが吸着して、そのダニが感染する微生物を持っていれば感染するということになる」と説明します。
  
ただ、必ずしも山ややぶに入った人だけが感染するわけではないのです。日本紅斑熱に感染した先ほどの女性は、8月に嶺北の山あいの寺を訪れた際、マダニに刺されたとみられています。
   
しかし、本人に刺された自覚はなく、診断までに1週間ほどかかりました。
    
ダニ媒介感染症の潜伏期間は2週間程度。その間に発熱、皮疹、消化器症状等がないかを気をつけてもらい、そのような症状があれば医療機関の受診が必要です。

 

◆致死率10~30%のマダニ媒介感染症

 

さらに、もう一つ注意が必要なマダニ媒介感染症が、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)です。国内では2013年に初めて患者が確認され、去年は200人近い患者が報告されています。
   
SFTSは発熱のほか、おう吐や下痢などの消化器症状が現れ、重症化することもあります。致死率は10%~30%とされています。
  
県内ではこれまで、嶺南でSFTSの患者が確認されていましたが、去年初めて嶺北でも確認されました。
  
酒巻医師は、地球温暖化がマダニの生息域に変化をもたらしているのではないかと指摘します。
   
「多くは南のほう。嶺南のほうが多いが、最近になって嶺北でも報告例が見られる。ダニは暖かいところに生息するので、全国的に見ても本来は西に多く、北にだんだん報告される場所が移ってきている現状」
  
その背景には、シカやイノシシなどに付着したマダニが動物の移動とともに運ばれることなど、複数の要因が絡んでいると考えられています。
  
また、病気そのものの認知が進み、診断されるケースが増えたことも報告数が増えている一因とみられ、日本紅斑熱、STFSともに患者の報告数は全国的に増加傾向にあります。

 

◆ズボンの裾は靴下の中に…露出を抑えることが重要

 

治療としては、日本紅斑熱には抗菌薬が使われる一方、SFTSには抗ウイルス薬が使われます。
   
日本紅斑熱とSFTSは、いずれも感染症法上の「4類感染症」で、診断した医師には保健所への届け出が義務づけられていて、こうした届け出から国や自治体は患者の発生状況や地域的な広がりを把握しています。
   
マダニ媒介感染症を防ぐためのポイントは、できるだけ肌を出さず、マダニが入り込む隙間をなくすことです。
  
草むらや山に入るときは長袖長ズボンを着用し、ズボンの裾を靴下の中に入れるなど、マダニが入り込む隙間をなくしましょう。
  
マダニに効果のある虫よけスプレーを使うことも有効です。
 
また、皮膚にマダニがついているのを見つけた場合は、無理に引き抜かず、皮膚科などの医療機関で取ってもらうことが大切です。
  
マダニが取れた後も、しばらくは体調の変化に注意し、症状が現れた場合は医療機関を受診してください。
 
マダニ媒介感染症の潜伏期間は▼日本紅斑熱が2~8日▼SFTSが6日~2週間程度とされています。山や草むらに入った後に発熱や発疹などの症状が出た場合は、自分の行動歴を医師に伝えるようにしてください。

 

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