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熱中症は大脳に後遺症のリスク 43度1時間以上で“溶け始め”高次脳機能障害に ハンディファンは「大正解」と医師

2026.08.17 19:48

お盆を過ぎ、暦の上では秋ですがまだまだ暑い日が続きます。夏の疲れが出始める時期、特に注意が必要な熱中症は、脳への後遺症を残す場合もあります。専門医に予防法と対処法を聞きました。
   
高温多湿の環境で激しい運動や長時間の活動を行うと、体内で作られた熱を汗の蒸発などによって逃がすことが難しくなり、体温が上昇します。
 
そして、大量の汗をかくことで体内の水分や塩分が失われ、脱水が進むと発汗や循環機能が低下。その結果、体温を十分下げられず、熱中症を発症します。
  
これまで多くの熱中症患者を診察してきた田中病院内科の吉田正博医師は「基礎疾患のある方、ない方、すべての人に発症する可能性がある」と指摘します。
  
連日の暑さによる寝不足や栄養不足に加え、特に高齢者は、夜間の過ごし方にも注意が必要だといいます。
  
「高齢者は夜中におしっこに行く回数が増える。寝る前に水を飲まず夜中エアコンを控えめにしていると、熱帯夜でしっかり汗をかいて朝起きた瞬間に熱中症、あるいは熱中症になりやすい体になっていることが多い」(吉田医師)
    
そこで吉田医師は、少量の水を複数回に分けて飲むよう勧めています。
  
熱中症になってしまった場合、症状は3段階に分けられます。
  
軽症ではめまいや立ちくらみなど、中等症は頭痛や吐き気、全身のだるさなど、重症になるとけいれん、意識障害などの様々な症状が現れます。
  
ただ吉田医師は、この線引きはあいまいだといいます。「線引きは一応されてはいるが、実際に臨床の現場では線引きはとても難しい。だから、軽症からいきなり重症になってそのまま死亡という例もあるので“この人熱中症かな”と思ったら迷いなく119番して救急要請をして欲しい」
    
救急を要請した場合、待つ間も可能であれば涼しい場所に移動して、塩分を含んだスポーツ飲料などの摂取を心がけましょう。
  
さらに熱中症が恐ろしいのは、脳に後遺症をもたらすおそれがあることです。
   
「大脳は、熱に弱い臓器。高温にさらされると脳障害を起こす。大脳は水と油でできているので、熱で容易に溶けて、一旦損傷が起きてしまったら元に戻らない」
   
大脳の限界温度は43度で、1時間以上経つと溶け始め、元に戻ることはありません。
  
すると、まっすぐ歩けず正しい判断ができない「高次脳機能障害」が生じて、後遺症が残ることがあります。
  
予防法は、水分摂取をして頭を炎天下にさらさないこと。帽子や日傘で直射日光を避け、さらに大脳を冷やすことも大切です。
  
吉田医師は「最近、ハンディファンで顔を当ててますよね。あれ、大正解です」とします。
 
顔面を流れている静脈が目元を通りそのまま頭蓋内に入って、脳を冷やす働きをすることから、顔面を冷やすことが脳を冷やすことにつながるといいます。
   
さらに「あくびは、大脳が脳を冷やさなくちゃと、鼻と口から大量に息を入れて、鼻腔の奥を冷やすことによって脳を冷やす行為」だといいます。
   
次に、熱中症かどうかを判断する方法を吉田医師に聞きました。
 
親指の爪を逆の指でつまみ、つまんだ指を離したときに、爪の色が白からピンクへ戻る時間を計ります。
 
「3秒以上かかるようなら高度な脱水と考えて」と吉田医師。のどの渇きを感じるかどうかは目安にならないとして、定期的に30分、1時間ごとに水分を摂取して欲しいとしています。
  
熱中症は防ぐことができます。正しい処置や予防法を覚えておきましょう。

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