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“特別警報が出ない=安全”ではない レベル4危険警報で「全員避難」が大原則 気象警報の“盲点”を前気象庁長官が解説
レベル5の大雨特別警報が3市に発表された、福井県の記録的大雨。隣接する坂井市には特別警報が発表されなかったにもかかわらず、浸水などの大きな被害が発生しました。なぜ、隣の市で基準が分かれたのか、 私たちは気象情報をどう読み解けばいいのか、 福井市出身の前気象庁長官・森隆志さんに、警報の仕組みについて聞きました。

今回の大雨で、レベル5の大雨特別警報が発表されたのは福井市・勝山市・大野市の3市でした。周辺の坂井市・永平寺町・鯖江市などにはレベル4の危険警報にとどまりましたが、実際には浸水被害が発生しました。
なぜ隣り合う地域でレベルが分かれるのか。森さんはその仕組みをこう説明します。
前気象庁長官・森隆志氏(福井市出身):
「レベル5特別警報は、市町村ごとに見て災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況が一定の面積以上になっている場合に発表されるものです」
つまり、坂井市で特別警報が出なかったのは、市内で極めて危険な状態となった地域が、丸岡や春江など一部に限られ、特別警報の発表基準となる面積に達しなかったと推定されるのです。
特別警報の発表は市町村単位で行われますがが、森さんはその境界の読み方に注意を促します。
「行政区画が境目に近いところで隣の地域がレベル5になっている場合は、レベル5に近い状態になっているはず。行政区画でばっさり切るのではなく、隣接する地域はどうなっているのかを見ることが大切」(森氏)
つまり、特別警報の有無だけを見て安心してはならないということです。今回、坂井市・永平寺町・鯖江市では実際に浸水被害が発生しており、隣接する地域がレベル5に指定された時点で、その周辺もレベル5に相当する危険な状況にあった恐れがあります。

では、住民はどう行動すべきなのかというと、レベル4の危険警報が発表された時点で、全員が避難することが原則です。
隣の市や町にレベル5特別警報が発表されたとき、自分もすでに危険な状況にいるという認識が必要です。警報の数字だけでなく、周辺地域の状況も含めて総合的に判断する姿勢が、命を守ることにつながります。
今回の福井だけでなく、千葉・石川・富山などでも集中豪雨が発生し、いずれも予想を大幅に上回る雨量となりました。
なぜ予測は難しいのか。森さんはその背景をこう語ります。
「近年、大雨の予測精度は徐々に向上してきているが、ピンポイントの雨量の予測は、いまだに極めて困難な状況にある。これは雨雲の元になる水蒸気の正確な観測や、スーパーコンピューターを用いた予測の方法などに相当の進展がないと難しいため」(森氏)
気象庁では2029年から市町村単位での線状降水帯の予測を目指していますが、現在はまず市町村単位での雨量の精度向上を図っていく段階にあるということです。
大雨が予想されているときは、「予想されている雨量を大幅に上回る可能性がある」という前提で備えることが重要です。
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