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福井の最低賃金、59円引き上げ1112円へ 「嬉しい」労働者は歓迎も経営者は苦悩 飲食店は「死活問題…値上げは必要」理解求める 

2026.08.20 20:16

アルバイトやパートで働く人にとって重要な時給。その土台となる福井県内の最低賃金が、現在の1053円から59円引き上げられ1112円となる見通しとなりました。50円以上の引き上げは3年連続です。最低賃金の上昇がもたらす県内への影響を、経済の専門家や飲食店経営者に聞きました。

 

◆福井県内で過去2番目の大幅引き上げ

 

最低賃金が59円上がることについて大学生に聞くと「それだけ上がるんですか?普通に嬉しいです」「嬉しいです。生活費を自分で出しているので上がるのはうれしい」「お金はあるだけいいので上げてくれれば」と一様に喜びの声が上がります。
   
福井地方最低賃金審議会は8月10日、県内の最低賃金を1053円から59円引き上げ、1112円とする方針を示しました。
  
県内では、2025年度まで5年連続で「過去最大の引き上げ幅」を更新していて、今回は前年度の69円に次ぐ、過去2番目の大幅な引き上げです。

 

◆専門家「苦しむ中小企業に行政は支援策を」

 

吉田圭吾アナウンサー:
「最低賃金の上昇は県内経済にどのような影響を与えるのでしょうか」
   
経済政策を専門とする福井県立大学経済学部の廣瀬弘毅教授は「+59円という引き上げ幅は、物価上昇や福井県の経済状況を踏まえると妥当なライン」とします。
   
しかし廣瀬教授は、50円を超える大幅な最低賃金の上昇は、中小企業に与える影響が大きいと語ります。「中小企業は、いわゆる『防衛的賃上げ』で人手を確保するために賃上げをして苦労している。本来、望むべき生産性を上げるための原資がどれだけ残るか、経営者は大変」と指摘。
 
一方で「物価上昇が続く中で、労働者の生活を守るためには意味のある金額」とします。
 
中長期的に見た県内経済への影響については「全国的に見ても経済の力は弱くない県だが、急激な賃金上昇に苦しむ中小企業もあるので、行政にも支援策を考えてほしい」と述べました。

 

◆飲食店は「死活問題」値上げに理解求める

 

企業側はどうとらえているのか、飲食店の現場を取材しました。
  
福井市と永平寺町で4店舗を経営するとんかつ料理「天膳」を経営する天谷健二社長は「今回も上げ幅が大きいので、企業としてはしっかりとした対策を練らないと厳しい部分も多々ある」と不安をにじませます。
  
近年、大幅に上昇する最低賃金は、経営に大きな影響を与えています。
 
「ここ3年で実は6度、値上げしている。特に今年4月は中東情勢の影響で包材や油、チキンショックやエッグショックなどで過去最大の値上げをしたばかり」だといい、1番人気の「やわらかチキンのソースかつ おろしそばランチ」は、2年前は税込み1000円が、去年は税抜きで1000円に値上げし、今年4月には税抜きで1050円に。実質約155円も上がっています。
  
定食の品数を減らしたコストパフォーマンスの良いメニューを作るなど工夫を凝らしますが、人件費の増加が見込まれる中、商品のさらなる値上げは避けられないと考えています。
   
天谷社長は「最低賃金の引き上げは各社の死活問題で、それに伴う値上げは、しなければならないと思う。最低賃金が上がって人件費が上がっているのに、同じ売上ではやっぱり企業としての利益が損なわれる」とし、地元飲食店が置かれている厳しい現状を理解してほしいと話していました。
  
労働者にとって賃金が上がるのは助かる一方、経営が苦しくなり閉業してしまう店が出てしまっては、元も子もありません。
  
最低賃金「1112円」は、早ければ10月4日から適用される見通しです。

 

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