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“荒れ果てた姿”から注目の観光スポットに 街なかのオアシス「養浩館庭園」 学芸員と歩き歴史を深掘り!

2026.08.21 19:58

北陸新幹線が開業し、福井市の“まちなかの観光地”として人気の「養浩館庭園」が、6月にオープンからの入館者150万人を達成し、ここ数年、右肩上がりで推移しています。
  
元々は江戸時代にできた福井藩主の別邸ですが、一時は庭園が荒れ果てていた時期も。そこから、どのようにして人気観光地となったのか。田丸萌夕希アナウンサーがブラブラ歩いて、その“復活秘話”を解き明かします。

 

田丸萌夕希アナウンサー:
「福井駅から歩いて15分ほど、落ち着いた空間の養浩館で“ブラタマル”!」
  
田丸アナがいるのは、福井市中心部にある養浩館庭園。大きな池を中心とした庭と、屋敷が調和した美しい空間が広がっています。
   
福井市立郷土歴史博物館の学芸員・藤川明宏さんに案内してもらい、庭園の歴史を教えてもらいます。

 

藤川さん:「さっそくですが…なぜ、ここに養浩館ができたのか分かりますか?」
   
田丸アナ:「全く想像がつかないです…」
  
藤川さん:「福井城の城下絵図を見ると、城の北側の武家屋敷の一部でした。できた当時は『御泉水屋敷』と呼ばれていました。その前の時代の絵図を見ると、武家屋敷に『永見右衛門』と書かれています。この永見と2代目藩主・松平忠直の間で“争い”が起きて屋敷を取り上げ、その跡が『御泉水屋敷』になったと歴史書に書かれているんです」
  
田丸アナ:「え!?始まりから、けっこうなドラマが…」
  
藤川さん:「そう、けっこうなドラマがあったんです」
     
藩主と家来の“もめごと”で生まれたという庭園。できて間もないころは「御泉水屋敷」と呼ばれていました。
    
近くの通りが「お泉水通り」というのは、このためです。

 

庭園がいまとほぼ同じ形になったのは、江戸時代の中期(1689年)でした。
  
藤川さん:「こちらが江戸時代の養浩館『御泉水屋敷』を描いた絵ですが、真ん中に大きな池、東側には屋敷があって、いまの庭とよく似ています」
   
田丸アナ:「確かに似ていますね!そもそも、この庭園は何のために使われていたんでしょうか?」
 
藤川さん:「福井藩のお殿様のものだったので、殿が日頃の政治に疲れた時にリラックスするための休憩場所でした。いろんな客人をもてなす“迎賓館”としても使われたと考えられています」

 

その一端を垣間見れる場所があるということで、向かいました。藤川さんが見せてくれたのは、池の水を抜いた時の写真。
   
田丸アナ:「何ですか!?これは…?」
   
池の水を抜いた時にだけ現れる、数本の杭。
    
藤川さん:「藩主が舟遊びをした時に舟をつなげた舟着き場の痕跡ではないかといわれています」
   
その後、明治時代に入り、松平春嶽が「養浩館」と名付けました。
  
“大きな心持ちを育む”ことを意味する中国の思想家・孟子の言葉「浩然(こうぜん)の気を養う」に由来するとされています。

 

続いてやってきたのは、屋敷の前。
 
藤川さん:「実はこの建物は、江戸に建てられたものではなく復元されたものなんです」
 
田丸アナ:「復元?壊れたんですか??」
 
藤川さん:「そうなんです…昭和20年に福井空襲で焼け落ちてしまいました」
  
戦後に撮影された養浩館の写真では、塀は崩れ、子供たちが庭園の池で遊んでいる様子が…
 
藤川さん:「約40年間、整備されずにほったらかしであまり良くない状態が続いたんです」
  
復活のきっかけは昭和57年。国の名勝への指定でした。

藤川さん:「建物は空襲で燃えてしまい庭の管理も良くなかったのですが、江戸時代に造られた原型は保たれていて、“すばらしい庭だ”と復元プロジェクトが始まったんです」
   
復元が完了したのは、いまから30年ほど前の1993年(平成5年)のことでした。
  
藤川さん:「まさにこの場所で大正時代に撮られた写真のセンターに写るのは、選挙遊説で来ていた大隈重信です」
    
田丸アナ:「いまの屋敷と同じように見えますね」
  
藤川さん:「そうなんです。昭和に入ってからも何度か調査があって、写真がたくさん撮られ、写真から立面図を起こして、しっかり当時のままに復元することができました」
  
壊れる前に撮られた写真が残っていたことも、運が良かったということです。

 

田丸アナ:「こうしてボーっと景色を眺めていた殿さまもいたかもしれないですね」
 
藤川さん:「この庭は昔の殿さまと同じ場所から同じ景色が眺められるのがすごく魅力で、多くの人を惹きつけていると思います」
 
田丸アナ:「ロマンチックですね」
 
いまや、外国人の観光客にも大人気の養浩館庭園。アメリカの庭園専門誌では、19年連続でトップ10入りを果たしています。
 
そして地元の人からは、結婚式や成人式の“前撮りスポット”として愛されているんです。
 
四季折々の自然を楽しめる“まちなかのオアシス”は、誕生から400年…さまざまな時代があって、こうして立派な観光地になったのです。

 

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