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藤島高校で15年続く独自の地震研究 県内各地に地震計を設置、地下構造など調査 福井高専の岡本名誉教授が指導

2026.09.01 19:25

9月1日は防災の日です。福井県内では8月29日夜から30日にかけて記録的大雨に見舞われ、大災害を未然に防ぐ意識が欠かせません。被害を最小限に食い止めたいとの思いから、県内では15年前から、高校生たちが独自で地震や豪雨などの災害から身を守るためにできることを研究しています。

 

福井県内に大雨が降る前日の8月28日、藤島高校を訪れると―
   
生徒:「最近、大雨リアルタイムでやばいやん。そういうことも載せられたらいいのかな。地震も、熊本地震とかも入れたらいいんかな」
  
生徒:「レベル5が石川・富山に出たやん。レベル5ってやばくない?これ載せた方がいいかもしれない」
  
この日、2年生の生徒が取り組んでいたのが、大雨、台風、大雪、地震のそれぞれの災害が起きた時に自分たちが取るべき行動を示したポスター作成です。
  
生徒:「学校でこの災害が起きたら先生が生徒にこう指示出す、という学校側のマニュアルはあると思うけど、生徒自身が自主的に行動できるかというと分かっていない生徒もいる。この警報が出たらこの準備をしてここに避難しよう、という藤島高校独自のものを作る」

生徒:「タイムラインはほかの学校にもない。私たち藤島高校が先立って作ることで他の学校もタイムラインを作って安全に備えてほしい」
  
生徒たちは災害時に自分で判断し行動できるよう備えたいと考えています。

 

こうした防災への意識を支えているのが、15年前から続く研究活動です。指導するのは、福井高専名誉教授の岡本拓夫さんです。
  
藤島高校は、科学技術人材の育成を目指し県が認定する、SSH=スーパーサイエンスハイスクールの取り組みとして2011年から独自の地震観測を続けています。
  
実は校内にも、地震計が設置されています。
   
2011年10月、東日本大震災後に、福井県でも地震の観測をしたいと地震計を設置し、気象庁の観測とは別に県内各地で地震の揺れや地下の構造を調査しています。
   
福井市の河合小学校や坂井高校、鯖江市の西山公園などにも地震計を設置し、地盤の強さや真下で起きる地震の深さ、揺れ方などを細かく調べています。
  
地震と地下水の関係について岡本教授と研究に取り組んできた3年生の小西明里さんは、地下水の成分変化と地震に関係があるのではないかと検証を続けています。「(地下水の成分に)濃度の変動があるけど地震が起こらなかったとか、地震が起こったけど濃度の変動がない、という分からない点がまだあって、いま見つかっていない天気の要素なども関わっていると思うので、詳しく調べたい」
  
県内の災害にいち早く気付き被害を最小限に食い止めたい、それが生徒らの願いです。
  
小西さんは「いまは社会に適用できるものではないが、それをもっと実用化して実際に社会で活用して安全・安心して暮らせるようにしていきたい」と語ります。

 

こうした研究を続ける背景には、地震への警戒感があります。
  
政府の地震調査委員会は8月、敦賀市周辺の「浦底ー柳ヶ瀬山断層帯」を最も警戒度の高いSランクに引き上げました。この断層が動き、今後30年以内に地震が発生する確率は最大で18%と、非常に高く見積もられています。
   
岡本教授は他にも、県境周辺の断層などに警戒が必要な断層がいくつもあると指摘します。「断層でも地震活動が伴っていない点に着目している。地震活動がない断層は準備中ということ。例えば柳ヶ瀬断層、板取付近(南越前町今庄付近)や琵琶湖西岸断層(滋賀県高島市から福井県境付近)、敦賀断層南部などが気になる」と指摘します。
  
地震活動が少ない断層はエネルギーをため込んでいる可能性があり、注意深く監視する必要があるといいます。
 
備えは研究だけではありません。岡本教授は、鯖江市の眼鏡店と共同で防災用の笛を開発しました。
   
眼鏡フレームにつけられるようなものから手軽に持ち運べるものなど、様々な笛がありますが、どれも救助犬にも届きやすい高い音が特徴です。
   
岡本教授は「災害が起こると救助犬、警察犬が出動するが、その手助けにもなる。助けてと声を出すと体力消耗するが、笛を吹けば比較的体力は使わずにいられる」と開発の経緯を語ります。
  
豪雨、地震…、災害はわたしたちを突然襲います。だからこそ重要なのは、日頃からの備えです。
  
生徒は―
「地震が起きたらどういう避難経路で逃げればいいか、机の下に頭を隠すことは分かっていても詳しいことは何も分かっていない。一人一人により防災の面で身近に感じてもらえるようにすることで、藤島高校生の意識も上がり、それによって被害も減少してそこで蓄えられた知識で地域に貢献できたらと思っている」と話します。
 
「最近は地震や大雨がたくさんあるので安全に避難したい。災害はなくならないものだと思うので、災害に対して意識を持ちながら生活していきたい」
 
15年にわたり続けられてきた高校生たちの研究と実践。
 
防災の日のきょう、私たち一人ひとりも自分にできる備えを見直す機会になりそうです。

 

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